この5月、カリフォルニアの「ニュートン」より「エステートディレクター」のジャン・バティスト・リバイユ氏が来日、「アンダーズ東京」において、日本初のエクスクルーシブ・ディナーが行われた。
「ニュートン」は、1977年ナパヴァレーのスプリングマウンテンに設立、自然への畏敬を大切にしたサスティナブル農法で、テロワールが反映された秀逸なワインを生み出している。畑の多くは標高の高い場所にあり、パブロ湾からの海風や霧の影響を受けてゆっくりと育つため、ピュアな酸味と繊細な果実味を持ち合わせたブドウが育つ。
「ニュートン」の特徴は、なんといっても“ノンフィルタードワイン”の第一人者であることだろう。濾過を極力抑えることで、ワインの複雑な旨味やコクを生かしている。
その魅力が顕著に感じられたのが料理との“マリアージュ”だ。例えば『ニュートン アンフィルタード シャルドネ 2016』と「オーシャントラウトのマリネ パースニップピューレ」は、ワインのバニラ香がパースニップピューレを包んでまろやかな味わいになる。
果実の旨味をそのまま生かしたアンフィルターの魅力が“マリアージュの影の力“となっている印象だ。また、『ニュートン アンフィルタード カベルネ・ソーヴィニヨン 2016』に合わせたのは「グリーンピースのロワイヤル 冷製コーンスープ トリュフ メルバトースト」で「カベルネ・ソ―ヴィニヨンとグリーンビースの相性がこんなによいとは」と驚かされた。
「アンフィルタードには、すべて自生酵母を使用しています。自然な果実の旨味が感じられるのが、アンフィルタードの大きな魅力。料理がより美味しく感じられますね」とリバイユ氏。
この日は、『ニュートン シングルヴィンヤード スプリング・マウンテン 2016』と『ニュートン アンフィルタード ヨーントヴィル 2016』も登場、どちらのワインからもナパ・ヴァレーらしいクラシカルな優雅さが感じられた。
今回、「ニュートン」のワインはフード・フレンドリーであることをあらためて実感。また、ブドウのよさがストレートに感じられたことにも感動した夜だった。
ジャン・バティスト・リバイユ氏
パリ政治学院の法学修士号とESCPの経済学専攻マスターを卒業。「ヴランケン・ポメリー」などでインターナショナルディレクターとして活躍。2013年にモエ ヘネシー社に入社、14年にはアメリカ全域を任される。17年「ニュートン」エステートディレクターに就任。
『ニュートン アンフィルタード シャルドネ 2016』
シャルドネ100パーセント。タンジェリンの花やバニラの香り。凛とした酸味が特徴的。100パーセント天然酵母による樽発酵。
『ニュートン アンフィルタード カベルネ・ソーヴィニヨン 2016』
カベルネ・ソーヴィニヨン85.27パーセント、プティ・ヴェルド5.93パーセント、メルロ5.74パーセント、カベルネ・フラン3.06パーセント。キイチゴやレッドチェリーの香りとスパイスの風味。ブドウは手と光学式選果機で選別、フレンチオークで14か月熟成。
『ニュートン シングルヴィンヤード スプリング・マウンテン 2016』
カベルネ・ソーヴィニヨン97パーセント、カベルネ・フラン2パーセント、マルベック1パーセント。ブラックカラント、コーヒーやタバコのニュアンス。スプリング・マウンテンは厳選された収穫された平均樹齢24年のカベルネ・ソーアヴィニヨンから生まれたセレクション。
『ニュートン アンフィルタード ヨーントヴィル 2016』
カベルネ・ソーヴィニヨン100パーセント。ブルーベリー、チョコレート、リコリスの香り。まろやかで濃厚な果実味としなやかなタンニン。厳選された小区画の平均樹齢18年のブドウを使用日。樽で12か月熟成させた後、ブレンドし、再び樽に戻して熟成させるという手の込んだ造りで、円熟味が魅力。