メドック・クリュブルジョワ同盟(Alliance des Crus Bourgeois du Medoc)のオリヴィエ・キュヴリエ会長は9月25日、『パヴィヨン・ルドワイヤン-ヤニック・アレノ』で会見を開き2017年産を対象とした226の新しい「クリュブルジョワ格付けシャトー」を発表した。

2017年産の総評と今回の格付けで認定されたシャトーについて

2017年産は1991年と並ぶ記録的な霜害で収穫量が激減したが、夏から収穫期の天候はまずまずでフレッシュで果実味があり、飲みやすいワインができた。また、十分タンニンがあり構造がしっかりしているので熟成に耐える内容を持っている。

今回格付けされた226シャトーの生産量は約1900万本で、メドックの生産量全体の23パーセント、また合計ブドウ園面積は3814ヘクタールで、メドック全体の24パーセントを占める。

クリュ別のシャトー数と生産量は以下の通り。
AOCメドック:103シャトー、約95万本。AOCオ・メドック:75シャトー、約700万本。AOCリストラック・メドック:10シャトー、44万本。AOCムリス・アン・メドック:7シャトー、16万7千本。AOCマルゴー:8シャトー、40万本。AOCポイヤック4シャトー、22万本。AOCサンテステフ:19シャトー、160万本

画像: 2017年産の総評と今回の格付けで認定されたシャトーについて

1932年の最初の格付けで認定された「クリュブルジョワ格付けシャトー」は444。その後、2003年に490の申請シャトーの中から247シャトー(クリュブルジョワ151、クリュブルジョワ・シュペリウール87、クリュブルジョワ・エクセプショネル9)が選ばれ、農業省によって正式な格付けが与えられた。しかし格付けから漏れたシャトーが裁判に訴えた結果、格付けが破棄された。2010年からミレジム毎に格付けする現在の方式が始まり今年は10回目となる。

来年から新たな格付けシステムに

来年から、5年単位の新たな格付けシステムに移行することが決まっており、現在、申請を行ったシャトーの書類審査が行われている。順調に進めば2020年2月に、「クリュブルジョワ」、「クリュブルジョワ・シュぺリウール」、「クリュブルジョワ・エクセプショネル」の3階級を復活させた新たな格付けが発表される。新しい格付けは5つのミレジムが対象になるため、次回認可されたシャトーは2018だけでなく、2019、2020、2021、2022の5つのミレジムでクリュブルジョワの名称権を使用できる。

画像: レストラン・ルドワイヤンでの試飲昼食会で挨拶するオリヴィエ・キュヴリエ会長

レストラン・ルドワイヤンでの試飲昼食会で挨拶するオリヴィエ・キュヴリエ会長

昼食会の席上、オリヴィエ・キュヴリエ会長は消費者の信頼を得るために試飲評価を重要視する姿勢を強調したが、誰が試飲審査を行うのかという記者の質問に対しては明確な答えを避けた。これは、前回の格付けの際、シャトーと直接関係する審査員が公平な審査を妨げたと訴えられ、格付けが破棄された苦い経験があり、これを意識してのことと思われる。

新しい格付けは目隠しによる試飲評価に加えてブドウ栽培、ワイン製造が十分な水準にあるか、環境保護に対する取り組みがなされているかなども考慮される。

「メドック クリュ ブルジョワ」公式格付けシャトー

画像: 「メドック クリュ ブルジョワ」公式格付けシャトー

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