今、ワインのトレンドに敏感な世界中の人々の間で、ジョージアワインが話題だ。黒海とカスピ海に挟まれた東欧の小国は、世界のワイン造り発祥の地!
ジョージアワインの魅力について、三つのポイントを紹介
![画像: ジョージアワインの魅力について、三つのポイントを紹介](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2019/10/31/d33039ac30769154f0710135c6db04be10b229dd_xlarge.jpg)
Point1 和食×ジョージア・ワインでダブル世界遺産を体験!
ジョージアの「クヴェヴリ」醸造のワイン、とりわけ白ブドウを種や皮ごと発酵・醸造させた“オレンジワイン”はもっともホットなキーワードだ。クヴェヴリとは、ジョージアでワイン醸造に歴史的に使われてきた素焼きの甕のこと。
2013年にはこの「クヴェヴリによるワイン醸造法」がユネスコの世界無形文化遺産に。同年、同じく世界遺産に登録されたのが、世界でもっともクールな料理とも言われる「和食」である。つまり、和食とともにジョージア・ワインを味わえば、ダブル世界遺産が体験できるというわけだ。
![画像: こちらはジョージアの小籠包「ヒンカリ」。シルクロードで中国とつながっていることを思わせる](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2019/10/31/9d7b7849b46b8d6811fd68e0d30d3366fd24a2b0_xlarge.jpg)
こちらはジョージアの小籠包「ヒンカリ」。シルクロードで中国とつながっていることを思わせる
Point 2 世界最古! 8000年のワイン造りの歴史
紀元前6000年、つまり今から8000年も前からワイン造りが行われてきたジョージア。近年、出土した当時のクヴェヴリの底から、ワイン醸造に使われていたブドウの種が発見されたのである。
ワイン を飲むなら語るなら、そのオリジン(起原)はマストで押さえておきたい!
![画像: 樹木をくり抜いた圧搾機。足を踏んでブドウを破砕する](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2019/10/31/c748bf3c2938e94d16b30f7191586036efcfb870_xlarge.jpg)
樹木をくり抜いた圧搾機。足を踏んでブドウを破砕する
Point3 ブドウの宝庫!! 土着品種が525品種も
ジョージアはまた、ブドウ品種の宝庫でもある。世界でワイン造りに用いられる推定1500のブドウ品種のうち、3分の1を越える525種類もの土着品種がジョージアに存在するのである。
ルカツィテリやムツヴァネといった白ブドウ、長期熟成にも耐えうる濃厚な赤ワインになるサペラヴィといった黒ブドウがその代表格だ。
![画像: スープラ(宴会)好きのジョージア人! 乾杯を司る宴会の長「タマダ」は酒文化の象徴として愛される](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2019/10/31/fd1899122d2ae504c4df15a172b6470ed16d3af2_xlarge.jpg)
スープラ(宴会)好きのジョージア人! 乾杯を司る宴会の長「タマダ」は酒文化の象徴として愛される
これは飲みたい! ジョージアワイン 36本テイスティング!
今、発売中の『ワイン王国113号』では、マスター・オブ・ワイン(MW)の大橋健一氏に、ジョージアワインの魅力についてインタビュー。併せて「日本で飲めるジョージアワインのお勧め36本」をスタイル別に36本を紹介している。
ジョージアというとクヴェヴリ醸造のワインが注目されがちだが、同じ品種でも、クヴェヴリ醸造とステンレス醸造で飲み比べると色合いも味わいも違う。むしろ、ステンレス醸造の方が、品種の個性がわかるのでは?という意見も。
バラエティ豊かな36本が勢ぞろいし、「白のさまざまな品種(ヨーロピアン・スタイル)」「ルカツィテリ(クヴェヴリ醸造)」「ムツヴァネ(クヴェヴリ醸造)」「サペラヴィ(ヨーロピアン・スタイル)」「サペラヴィ(クヴェヴリ醸造)」「さまざまな土着品種とスタイルのワイン」の6つのカテゴリーに分け、試飲した。
誌面で紹介した36本から6本をピックアップして紹介
![画像: テイスター(左から) 石田博氏 ソムリエ。1996年、98年、2014年「全日本最優秀ソムリエコンクール」優勝。00年「世界最優秀ソムリエコンクール」3位。11年「現代の名工」受章。14年「黄綬褒章」受章 齋藤奈紀さん 福岡「レストラン花の木」を経て、2019年9月より「銀座ロオジエ」にソムリエとして勤務 大橋健一MW 酒類専門店「㈱山仁」代表取締役社長、コンサルタント会社「㈱Red Bridge」代表取締役。ナショナル・ワイン・エージェンシー・ジョージアのブランド・アンバサダー](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2019/10/31/a36e7fbfbe8398547493fe46ccccac0e3333a734_xlarge.jpg)
テイスター(左から)
石田博氏
ソムリエ。1996年、98年、2014年「全日本最優秀ソムリエコンクール」優勝。00年「世界最優秀ソムリエコンクール」3位。11年「現代の名工」受章。14年「黄綬褒章」受章
齋藤奈紀さん
福岡「レストラン花の木」を経て、2019年9月より「銀座ロオジエ」にソムリエとして勤務
大橋健一MW
酒類専門店「㈱山仁」代表取締役社長、コンサルタント会社「㈱Red Bridge」代表取締役。ナショナル・ワイン・エージェンシー・ジョージアのブランド・アンバサダー
柑橘類のジューシーさとほろ苦さの『ムツヴァネ 2018年』
2008年ドイツ人ファミリーのシュフマン一家が設立した「シュフマン・ワインズ」が造る『ムツヴァネ 2018年』。
「ハーブやシトラスの第一印象。ミネラルやぺトロール香も感じられる。味わいにはフレッシュの柑橘類の皮を思わせる酸と、少々の苦味。モルタデッラなどのシャルキュトリー(食肉加工品)と合わせて楽しみたい」
![画像: 『ムツヴァネ 2018年』 生産者:シュフマン・ワインズ 生産地域:カヘティ 品種:ムツヴァネ100% 価格:1580円(税別) 輸入元:日本酒類販売㈱](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2019/10/31/fa0071756069eaf97c182dd8f22cc7bad773b57a_xlarge.jpg)
『ムツヴァネ 2018年』
生産者:シュフマン・ワインズ
生産地域:カヘティ
品種:ムツヴァネ100%
価格:1580円(税別)
輸入元:日本酒類販売㈱
フードフレンドリーなオレンジ『ルカツィテリ・クヴェヴリ・アンバー・ワイン 2016年』
創設者でワインメーカーのゴギ・ディキシヴィリ氏が古木のブドウから高品質のワインを少量生産する「オルゴ」が造る『ルカツィテリ・クヴェヴリ・アンバー・ワイン 2016年』。
「色合いは濃いめのアンバーだが、洗練されている印象。ドライフルーツやアプリコット、オレンジピールの華やかな香り。旨味と甘味が豊かで余韻が長い。クリのグラタン、シェーヴルチーズにオレンジのジャムを添えて。肉じゃが、馬肉とも」
![画像: 『ルカツィテリ・クヴェヴリ・アンバー・ワイン 2016年』 生産者:オルゴ 生産地域:カヘティ 品種:ルカツィテリ100% 価格:3800円(税別) 輸入元:㈱アルカン](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2019/10/31/04e7357e7b345e9cbc261e0e0b7f4d16ff8d3a99_xlarge.jpg)
『ルカツィテリ・クヴェヴリ・アンバー・ワイン 2016年』
生産者:オルゴ
生産地域:カヘティ
品種:ルカツィテリ100%
価格:3800円(税別)
輸入元:㈱アルカン
和食との相性抜群!実直な造り『ムツヴァネ 2015年』
ツィナンダリ地区に2014年に設立。クヴェヴリだけで醸造を行い、モダンな味わいのワインを生み出す「ストリ マラニ」が造る『ムツヴァネ 2015年』。
「派手さはないが、洗練され、実直な造りを感じさせるワイン。リンゴやマルメロのマーマレードや香ばしさを伴う香り。口当たりはスムースで、味わいはジューシー、口中をリ
フレッシュしてくれる。魚の照り焼きや幽庵焼きなどの和食と」
![画像: 『ムツヴァネ 2015年』 生産者:ストリ マラニ 生産地域:カヘティ 品種:ムツヴァネ100% 価格:2200円(税別) 輸入元:㈱ヴァンクロス](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2019/10/31/cfefcd7bdb77fa329f76724bf69c794ab59b1a00_xlarge.jpg)
『ムツヴァネ 2015年』
生産者:ストリ マラニ
生産地域:カヘティ
品種:ムツヴァネ100%
価格:2200円(税別)
輸入元:㈱ヴァンクロス
乳酸系のまろやかな味わい『マカシヴィリ・ワイン・セラー ムツヴァネ 2017年』
19世紀後半のマカシヴィリ王子の時代に造られたクヴェヴリによるワイン醸造にこだわる「ヴァジアニ・カンパニー」が造る『マカシヴィリ・ワイン・セラー ムツヴァネ 2017年』。
「ヨーグルトのような乳酸を感じさせる甘味のある香り。酸味は穏やかで、前半はリッチな甘味と果実味、後半から余韻に甘味と苦味が続く、ハチャブリ(ジョージアのチーズパイ)がよく合う。長くて濃い女子トークのおともに、ナッツなどもつまみながら」
![画像: 『マカシヴィリ・ワイン・セラー ムツヴァネ 2017年』 生産者:ヴァジアニ・カンパニー 生産地域:カヘティ 品種:ムツヴァネ100% 価格:2950円(税別) 輸入元:㈱モトックス](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2019/10/31/90a420d9ccd66f19ed9040658cfbf321d4d9e809_xlarge.jpg)
『マカシヴィリ・ワイン・セラー ムツヴァネ 2017年』
生産者:ヴァジアニ・カンパニー
生産地域:カヘティ
品種:ムツヴァネ100%
価格:2950円(税別)
輸入元:㈱モトックス
じんわりとした甘味を持つ微発泡『ルカツィテリ 2017年』
観光管理会社に勤務していたショータ・ラガジゼ氏が、自身のブランドを設立して始めたワイナリー「ラガジ」が造る『ルカツィテリ 2017年』。
「深いオレンジ色。わずかにナチュラルワインのトーン。切り立てのキュウリやルイボスティー、ジャスミンの香り。ジンジャエールのような発泡を感じるが、ゆっくりと味わうと甘味がじんわりと現れる。ブルーチーズやエビチリと。
![画像: 『ルカツィテリ 2017年』 生産者:ラガジ 生産地域:カヘティ 品種:ルカツィテリ100% 価格:4000円(税別) 輸入元:㈱ノンナアンドシディ](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2019/10/31/2327670507bb514a5bcff189d7602536a7e47762_xlarge.jpg)
『ルカツィテリ 2017年』
生産者:ラガジ
生産地域:カヘティ
品種:ルカツィテリ100%
価格:4000円(税別)
輸入元:㈱ノンナアンドシディ
オーセンティックなクヴェヴリの赤『サペラヴィ 2015年』
国際品種を使用せず、ジョージアの土着品種だけを自然農法で栽培し、クヴェヴリ醸造を行う「シャラウリ・ワイン・セラーズ」が造る『サペラヴィ 2015年』
『熟したブルーベリーの香りに、クローブやタバコの香りも。旨味を伴った高いタンニンが感じられる複雑な味わい。オーセンティックで安心感を覚える。ジューシーさとスパイシーさが余韻に長く続く。黒図の酢豚と楽しみたい』
![画像: 『サペラヴィ 2015年』 生産者:シャラウリ・ワイン・セラーズ 生産地域:カヘティ 品種:サペラヴィ100% 価格:4200円(税別) 輸入元:㈱モトックス](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2019/10/31/0cafacf6801bf7f07d611befeaaa4a284f0e719a_xlarge.jpg)
『サペラヴィ 2015年』
生産者:シャラウリ・ワイン・セラーズ
生産地域:カヘティ
品種:サペラヴィ100%
価格:4200円(税別)
輸入元:㈱モトックス
明るいレモンイエローから黄金、琥珀色の色調を帯びたもの。色合い豊かなジョージアワイン
![画像: 白ブドウの皮ごとグヴェヴリで醸し、6カ月程度の長期の果皮浸漬を経て深い色素や複雑な香味を抽出したオレンジワイン(現地ではアンバーワインと呼ばれる)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2019/10/31/084491004de449dda37de23fcfafa4f3762f4d4a_xlarge.jpg)
白ブドウの皮ごとグヴェヴリで醸し、6カ月程度の長期の果皮浸漬を経て深い色素や複雑な香味を抽出したオレンジワイン(現地ではアンバーワインと呼ばれる)
![画像: 黒ブドウのサペラヴィも造りによって色合いや味わいはさまざまな](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2019/10/31/04286be7b0da2befd95a6f40a1a403867e25f9f8_xlarge.jpg)
黒ブドウのサペラヴィも造りによって色合いや味わいはさまざまな
『ワイン王国113号』では、さらにジョージアワインの魅力を掘り下げています!
未知なるワイン文化の宝庫であるジョージアの魅力について、マスター・オブ・ワインの大橋健一氏にインタビュー。日本で飲めるお勧め「ジョージアワインカタログ36本」もお見逃しなく!
![画像: 『ワイン王国113号』では、さらにジョージアワインの魅力を掘り下げています!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783513/rc/2019/10/31/98084e7ced23c43a1dfa44aa098610eef383f0d0_xlarge.jpg)
『ワイン王国113号』詳細
https://www.stereosound-store.jp/fs/ssstore/3182
text by Ryo TAMURA