シャンパーニュにとって「格付け」は 重い。グラン・クリュとプルミエ・クリュの優位性は、容易にくつがえせない。1966年に創設された協同組合の「ド・サンガール」は、1366ヘクタールの畑のうち 90 パーセントが、グラン・ クリュかプルミエ・クリュに位置する。800ヘクタールはシャルドネの聖地コート・デ・ブラン地区のメニル・シュル・オジェ、オジェ、アヴィーズ、クラマンなどの村に広がる。ピノ・ノワールはブジー、アンボネーなどと︑圧倒的な強みを誇る。 11 の村にある 14 の組合が集まって結成された。アヴィーズ村にある本部には、最新のステンレスタンクが並び、技術の高さを感じさせる。

 1976年生まれのセラーマスター セドリック・ジャコパン氏は、コート・デ・ブラン南部のヴェルテュ出身。栽培農家に育ち、ランス大学で醸造の資格を取得して働き始めた。実家がそもそも組合のメンバーだったため、農家からの信頼も厚い。

画像: 「シャパーニュ・ド・サンガール」は、シャルドネの聖地 アヴィーズ村に 本拠を置く

「シャパーニュ・ド・サンガール」は、シャルドネの聖地 アヴィーズ村に 本拠を置く

画像: グランクリュの宝庫!ガストロノミー向きシャンパーニュ「シャパーニュ・ド・サンガール」

農家が株主、責任感と高い士気

「組合員でもあり、株主でもある農家の誰もが責任感が強く士気が高い、というのが誇りです。所有畑のほとんどは 1 ヘクタール未満で、醸造施設を持っている人はいません。だから皆が最良のブドウを持ち寄って、いいワインを造ろうという情熱を共有しているのです。いいシャンパーニュ
ができれば収入も増えて、それが各人のボーナスにつながります」
  ジャコパン氏は農家とのコミュニケー ションを絶やさず、集団でいいブドウ造りを行うよう努めている。その成果はそのままシャンパーニュに表れる。ベーシックな『ブラン・ド・ブラン・プルミエ・クリュ』は 61 パーセントのリザーヴワインで豊かさを与えながら、コート・デ・ブラン地区らしいすがすがしいミネラル感をきれいに表現。リザーヴワインのほんの一部は大樽で熟成され、厚みを与えている。このキュヴェはパーカーポイント 90 点 を得た。

画像: 醸造には大樽も利用する。セラーは見学用にモ ダンにしつらえられている

醸造には大樽も利用する。セラーは見学用にモ ダンにしつらえられている

 フラッグシップの『オルパール ブラン・ ド・ブラン グラン・クリュ 2004年』は、メゾンの総合力が詰まっている。スティルワインの70パーセントは*マロラクティック発酵を行わないが厚みがあり、リニアな余韻が長く続く。「デカンター・ワールド・ワイン・アワード 2019」で、ベスト・イン・ショー受賞に輝いたのも納得の出来だ。

「われわれのシャンパーニュはアペリティフ(食前酒)ではなく、フードペアリングに最適だ」というジャコパン氏の言葉に納得した。

*乳酸菌により、ワインの中のリンゴ酸が乳酸と二酸化炭 素に分解される現象。酸味が柔らかく、香味が豊かなワイ ンとなる

画像: 左から『サンガール ブラン・ド・ブ ラン プルミエ・クリュ』(8700円)、 『サンガール ブラン・ド・ブラン エ クストラ・ブリュット グラン・クリュ』 (1万200円)、『サンガール ロゼ プルミエ クリュ』(9000円)、『サン ガール オルパール ブラン・ド・ブ ラン グラン・クリュ 2004年』(2 万3000円) ※価格は税別

左から『サンガール ブラン・ド・ブ ラン プルミエ・クリュ』(8700円)、 『サンガール ブラン・ド・ブラン エ クストラ・ブリュット グラン・クリュ』 (1万200円)、『サンガール ロゼ プルミエ クリュ』(9000円)、『サン ガール オルパール ブラン・ド・ブ ラン グラン・クリュ 2004年』(2 万3000円) ※価格は税別

問い合わせ先:㈱都光 TEL.03-3833-3541

画像: 農家が株主、責任感と高い士気

『ワイン王国114号』では、全19メゾンを訪問したシャンパーニュの現地取材「造り手の肖像」を掲載。ますます盛り上がるシャンパーニュ。何がそれほど飲み手を惹き付けるのか。謎を解く鍵は、メゾンの個性を守る醸造家にあります。シャンパーニュの魅力を知るキーパーソンに会いに現地を訪れました。
https://www.stereosound-store.jp/fs/ssstore/bsw_wk/3219

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