好きな料理を好きなワインと、自宅でゆったり味わえるのが“家飲み”の魅力。今回、美食の第一線で活躍する3人のソムリエが楽しく“家飲み”。

 ワインは泡、白、ロゼ、赤と多彩に、料理はピッツァやから揚げ、寿司など、普段から楽しんでいるものを用意。とはいえ、一見カジュアルながら、その奥に隠れた“意外なマリアージュ”を発掘するのは、トップソムリエならではの得意技。家飲みの新しい楽しさを教えてくれた。

画像: 資生堂パーラー「FARO」ソムリエ河内彪氏、フランス料理「アピシウス」シェフソムリエ 情野博之氏、フレンチレストラン「THIERRY MARX」シェフ・ド・ラン 大葭原(おおよしはら)風子さん(左から)

資生堂パーラー「FARO」ソムリエ河内彪氏、フランス料理「アピシウス」シェフソムリエ 情野博之氏、フレンチレストラン「THIERRY MARX」シェフ・ド・ラン 大葭原(おおよしはら)風子さん(左から)

情野 今、“家飲み”が増えていますが、お二人の世代も“家飲み率”は高いですか?

河内 はい。ワインを持ち寄ったりして楽しんでいます。

大葭原(おおよしはら) 私も同じ。女子会とか、多いですね。あとは、帰省した時に両親と飲んだりとか。

情野 ご両親と、というのはいいですね。うちは子どもたちがお酒を飲める年齢になったので、普段は家族でわいわいやっています。

大葭原 両親は世代的にボルドーやブルゴーニュなどの“正統派”が好きで。私がニュージーランドなど、ニューワールドのワインを持って帰ると、「何、それ?」とけっこう会話が弾みます。(笑)

河内 わかります。家飲みって、普段自分が買わないものを友人が持ってきたりして、新しい発見がありますよね。

情野 マリアージュにしてもそうですね。一見、合いそうにないもの同士が、予想外に相性が良かったりするとなぜかうれしくなる。では、大いに楽しみましょう!(全員で乾杯)

画像1: 家飲みをもっと楽しもう!
ソムリエが勧める「家飲みテクニック」でおこもりワイン生活

河内 泡と揚げ物はやはり合いますね! 

情野 餃子も合う。醤油と辣油(ラー油)の辛さをワインの甘酸っぱさが包んでくれます。ムニエ種を使った泡との相性は抜群ですね。

画像2: 家飲みをもっと楽しもう!
ソムリエが勧める「家飲みテクニック」でおこもりワイン生活

大葭原 (試してみて)本当、泡と餃子、いいですね! あと、餃子にはカベルネ・ソーヴィニヨンもいいと思いました。

河内 ピノ・ノワールとマグロもいいですね。とてもエレガントな相性。

情野 ピノならヒカリモノも合うね。(ロゼを飲んで)ロゼとも相性がいい。家飲みは、最初からマリアージュを狙わず、好きなものを食べて、好きなワインを飲んでいるうちにいろいろな発見があるのが興味深いですね。

画像3: 家飲みをもっと楽しもう!
ソムリエが勧める「家飲みテクニック」でおこもりワイン生活

河内 家だからこそ、ですね。自由度が高い。

大葭原 はい、この楽しさを多くの方に知っていただきたいです!()

(白泡)イエローテイル バブルス ドライ NV

『イエローテイル バブルス ドライ NV』
生産者:カセラ・ファミリー・ブランズ
生産国:オーストラリア
生産地:サウス・イースタン・オーストラリア
品種:シャルドネ60%、セミヨン40%
価格:1100円(税別)
輸入元:サッポロビール㈱

柑橘類や青リンゴ、フレッシュハーブのさわやかさ。穏やかな泡立ちで、口当たりも滑らか。熟したフルーツのふくよかさ、果実味と酸味のメリハリを感じる。それほど甘くなく、飲み疲れがしない。

河内 素直に美味しい。鶏のから揚げなど、揚げ物との相性はテッパンですね。残糖のちょっと甘いニュアンスは、ボンゴレの塩気とも合いそうです。

情野 春巻きとよく合いますね。餃子も良さそう。泡は食前酒に出されることが多いけれど、家飲みだと好きなタイミングに飲めるのがいいですね。

大葭原 泡はオールマイティー。女子的には、気分が上がります。(笑)

画像: (白泡)イエローテイル バブルス ドライ NV

(白泡)ゾーニン プロセッコ DOC スペシャル・キュヴェ ミレジマート 2018年

『ゾーニン プロセッコ DOC スペシャル・キュヴェ ミレジマート 2018年』
生産者: ゾーニン
生産国:イタリア
生産地:フリウリ‐ヴェネツィア・ジューリア州
品種:グレーラ100%
価格:1500円(税別)
輸入元:三国ワイン㈱

シャルマ方式(タンク内2次発酵方式)で造られたクラシックなスタイル。フレッシュな果実感に、キレのある泡立ち。香りはリンゴやレモングラス、マスカットなど複雑なアロマ。生アーモンドのニュアンスも。

情野 マスカットのフレーバーが魅力的。白身魚が美味しくなりますね。

河内 お寿司の鯛と合わせてみますね。うん、美味しい! シャルマ方式なので余韻はやや短めですが、鯛がすっきりと食べられます。

情野 オリーヴとか、漬物とか、シンプルに合わせてもきっと楽しいね。

大葭原 凝縮した旨味はフライドポテトにも良さそうです。

画像: (白泡)ゾーニン プロセッコ DOC スペシャル・キュヴェ ミレジマート 2018年

(白泡)コドーニュ バルセロナ 1872 NV

『コドーニュ バルセロナ 1872 NV』
生産者: コドーニュ
生産国:スペイン
生産地:カタルーニャ地方
品種:シャルドネ、マカベオ、チャレロ、パレリャーダ
価格:1660円(税別)
輸入元:メルシャン㈱
https://drinx.kirin.co.jp/wine/codorniu/barcelona1872/?ref=article_rec3&cx_cxrecs=119a31829bf2eda6aa9cffc25cba5503bb174423

熟した白桃、洋梨、スパイスの香り。泡も細やかでクリーミー。はじけるような泡立ちが心地いい。さわやかな酸味とボリューム感のある果実味。カバ特有の苦味が味を引き締めている。

河内 後味に苦味があるので、ハーブのサラダが美味しく感じます。蒸したサーモンとも合っています。お寿司の甘エビとは◎!!

情野 本当? (甘エビと合わせて)美味しいね! 果実の甘さが、甘エビの甘さをうまく引き締めています。家飲みにお寿司は最高ですね。白身、ヒカリモノ、赤身など、味の要素が多彩だから、さまざまなワインとの相性が探れる。

大葭原 新しい発見があって、楽しいです!

画像: (白泡)コドーニュ バルセロナ 1872 NV

(白泡)アンリ・ブラン ブリュット トラディション NV

『アンリ・ブラン ブリュット トラディション NV』
生産者: アンリ・ブラン
生産国:フランス
生産地:シャンパーニュ地方 ヴァレ・ド・ラ・マルヌ
品種:ムニエ80%、シャルドネ20%
価格:3980円(税別)
輸入元:㈱都光

ムニエ主体の柔らかな味わい。アプリコットやベリーの香りに、香ばしいトーストのアクセント。ムースのようなきめ細やかな泡立ちと豊かな果実味。次の1杯に手が伸びる味。

大葭原 ミネラルにシャンパーニュらしい厚みがあるので、お肉もいけますね。ハンバーガー、美味しいです!

河内 チーズサブレとも合わせてみてください。美味しいです。これはシンプルにチーズとも合わせたいですね。

情野 ムニエらしいふくよかさが、いろいろな料理に寄り添ってくれますよね。中国料理も良さそう。麻婆豆腐とか。あとは回鍋肉とか、とろみのある料理もお勧めです。

画像: (白泡)アンリ・ブラン ブリュット トラディション NV

(ロゼ泡)アイス アンペリアル ロゼ

『アイス アンペリアル ロゼ』
生産者: モエ・エ・シャンドン
生産国:フランス
生産地:シャンパーニュ地方 エペルネ
品種:ピノ・ノワール45~55%、ムニエ35~45%、シャルドネ5~10%
価格:8850円(税別)
輸入元:MHD モエ ヘネシー ディアジオ㈱

ゴールドのハイライトをまとう鮮やかなピンク色がチャーミング。イチゴやラズベリーのトーン。イチジクやネクタリンのような華やかさとやさしい甘味。氷を入れて際立つ心地いい甘味と酸味のバランスが素晴らしい。

大葭原 華やかさに心引かれます。ケーキのクリームとぴったりで、これは、女子会には“マスト”の1本ですね。

河内 (ケーキを食べて)確かに、生クリームとよく合う。デザートまでカバーできるのはいいですね。フレッシュなベリーやピーチ、イチジクとも合いそう。

情野 この甘味は脂肪分とフィットしますね。お寿司ならトロかな。(トロを食べて)うん、予想通り(笑)。「氷を入れて味が完成する」というのも、話題性があって楽しいですね。

画像: (ロゼ泡)アイス アンペリアル ロゼ

(白)メスタ ベルデホ オーガニック 2018年

『メスタ ベルデホ オーガニック 2018年』
※画像は2016年ヴィンテージです
生産者: ボデガス・フォンタナ
生産国:スペイン 
品種:ベルデホ100%
価格:900円(税別)
輸入元:メルシャン㈱
https://drinx.kirin.co.jp/article/recipe/38/

カリンやグレープフルーツなどの柑橘系アロマがさわやかで、フレッシュな印象。甘味と酸味のバランスが良く、くせがないので飲みやすい。清涼感のある酸味と苦味が初夏に合う。

河内 ベルデホのフローラルな香り。ハーブ好きにはたまらないですね。ハーブのサラダとよく合っています。さわやかな美味しさです。

大葭原 ニラ入りの餃子との相性も抜群。ハーバルな香りが印象的で、後味がすっきりします。

情野 ということは、小籠包や春巻きにもいいですね。ワインとの相乗効果で、清涼感のあるマリアージュが楽しめますね。

画像: (白)メスタ ベルデホ オーガニック 2018年

(白)イエローテイル シャルドネ 2019年

『イエローテイル シャルドネ 2019年』
生産者: カセラ・ファミリー・ブランズ
生産国:オーストラリア
生産地:サウス・イースタン・オーストラリア
品種:シャルドネ100%
価格:1007円(税別)
輸入元:サッポロビール㈱

アプリコットや黄桃など、熟したストーンフルーツの香り。ヴァニラを感じる心地いい甘味も魅力。穏やかな酸味とふくよかなボリューム感。どんな料理とも合いそうな包容力を感じる。

大葭原 果実の甘味をストレートに感じるので、ベトナム料理とか、エスニックと相性が良さそうです。今日の料理なら、ハーブのサラダでしょうか。

河内 実は、今、カマンベールチーズの上にパクチーを乗せて食べてみたのですが、美味しかった。(笑)

情野 自由な感じがいいね(笑)。でも、それが家飲みの楽しさですね。“ちょい足し”とか、楽しいと思います。このワインは、けっこうオールマイティー。使い勝手がいいですね。

画像: (白)イエローテイル シャルドネ 2019年

(白)コッポラ ロッソ&ビアンコ ピノ・グリージョ カリフォルニア 2018年

『コッポラ ロッソ&ビアンコ ピノ・グリージョ カリフォルニア 2018年』
生産者: フランシス・フォード・コッポラ・ワイナリー
生産国:アメリカ
生産地:カリフォルニア州
品種:ピノ・グリージョ85%、シャルドネ15%
価格:1800円(税別 4月1日からの値下げ改定新価格)
輸入元:ワイン・イン・スタイル㈱

生き生きとした酸とふくよかな甘味が心地いい。レモンやリンゴのさわやかな香りとナッツのニュアンス。ピノ・グリージョらしい果実味と後口の苦味がきれいに出て、バランスがいい。

情野 このピノ・グリージョは、苦味と甘味のバランスがいいですね。ピッツァの香ばしさとも合っている。

河内 イタリア系品種だからでしょうか、やはりイタリアンと相性がいい。ボンゴレのパスタとか。あとは、軽やかな苦味が山菜の天ぷらとも合いそうだと思いました。今、パクチー&レーズンにトライしてみたのですが、けっこういけました。(笑)

大葭原 確かに、これもエスニックとの相性は良さそうです。

画像: (白)コッポラ ロッソ&ビアンコ ピノ・グリージョ カリフォルニア 2018年

(白)ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ 2018年

『ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ 2018年』
生産者: チェッキ
生産国:イタリア
生産地:トスカーナ州
品種:ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ主体
価格:1850円(税別)
輸入元:国分グループ本社㈱

ハーブのさわやかな香りと、柑橘類、ナッツのタッチが特徴的。しっかりとした酸があり、キレのある口当たり。くせがなく、後味に塩気と苦味が感じられる。さまざまな料理と好相性。

河内 私はこれ、好きです。うちのレストランでもグラスで出したことがあります。ミネラル感がきちんとあって、料理を生かしてくれます。今日の料理なら、ボンゴレやトマトソースとの相性は抜群!

情野 確かに、イタリアンに合いそうですね。

大葭原 私はフライドポテトと合わせましたが、ペアリングのカジュアル感がいいと思いました。もっと気楽になら、ポテトチップスだけでも楽しい。

情野 ワインにほんのり甘味があるので、塩気のあるものを格上げしてくれますね。

画像: (白)ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ 2018年

(白)ビオンタ アルバリーニョ 2017年

『ビオンタ アルバリーニョ 2017年』
生産者: ビオンタ(フレシネG)
生産国:スペイン
生産地:リアス・バイシャス
品種:アルバリーニョ100%
価格:参考価格2400円(税別)
輸入元:サントリーワインインターナショナル㈱

レモンのようなフルーツ感と、海のワインらしい厚みのあるミネラルが共存。引き締まった酸がワイン全体の味わいを引き締めている。旨味を感じる魚介類に。

情野 リアス・バイシャスのアルバリーニョ。海のワインだから、やはり魚介類との相性は最高。お寿司の鯛やイカなど、美味しいですね。

河内 ヨード香があるからか、青っぽい香りを持つものと合いますね。おっしゃる通り、イカとの相性は抜群でした。

大葭原 海老との相性もなかなかのもの。海老のピッツァ、美味しかったです。

情野 枝豆もいい。ちょっと塩気を利かせて。夏にぴったりです。

画像: (白)ビオンタ アルバリーニョ 2017年

(白)アルボレダ シャルドネ 2018年

『アルボレダ シャルドネ 2018年』
SAKURAワインアワード2015 特別賞『ベストワイン賞アジア料理-寿司』グランプリ受賞
生産者: アルボレダ(エラスリス・グループ)
生産国:チリ
生産地:アコンカグア・コスタ
品種:シャルドネ100%
価格:参考小売価格2500円(税別)
輸入元:アサヒビール㈱

心地いい酸としっかりした樽のバランス。リンゴや桃、アプリコットの豊かな香りがあり、樽香とのバランスも取れている。ボリューム感があり、クリーム系の料理との相性は抜群。

大葭原 味わいがとてもさわやか。これは手が込んだ料理より、白身魚のカルパッチョとか、シンプルな料理に合いますね。お寿司の鯛や海老と相性がいいですね。

河内 ローストしたナッツと合わせても美味しいと思いました。香ばしさを生かしてくれます。

情野 あとは、意外と酢漬けのショウガにも合う。こういう小さな発見も楽しいね。(笑)

画像: (白)アルボレダ シャルドネ 2018年

(ロゼ)エコ・バランス オーガニック・ロゼ ヴァレ・デル・ラぺル 2018年

『エコ・バランス オーガニック・ロゼ ヴァレ・デル・ラベル 2018年』
生産者: エミリアーナ・ヴィンヤーズ
生産国:チリ
生産地:ヴァレ・デル・ラペル
品種:シラー70%、カベルネ・ソーヴィニョン18%、プティ・ヴェルド7%、カベルネ・フラン3%、テンプラニーリョ2%
価格:1100円(税別)
輸入元:ワイン・イン・スタイル㈱

淡いピンクのやさしい色合い。ピンクグレープフルーツやローズマリー、アプリコットの香り。花の蜜のような甘味と穏やかな酸味があり、“ほっこり”するイメージ。和食や肉料理にも。

大葭原 ロゼはやはりトマト系ソースに合いますね。アマトリチャーナのパスタ、とても美味しかったです。

情野 安定感のあるペアリングですよね。あとは、ロゼならお寿司のヒカリモノもいい。このロゼは甘味を感じるから、砂糖やみりんを使った和食の煮物も合います。肉じゃがとかね。

河内 美味しそうです! ロゼは、合わせる料理の幅が広いですね。

画像: (ロゼ)エコ・バランス オーガニック・ロゼ ヴァレ・デル・ラぺル 2018年

(赤)サンタ バイ サンタ カロリーナ カルメネール/プティ・ヴェルド2019年

『サンタ バイ サンタ カロリーナ カルメネール/プティ・ヴェルド2019年』
生産者: サンタ カロリーナ
生産国:チリ
生産地:セントラル・ヴァレー
品種:カルメネール、プティ・ヴェルド
価格:参考価格770円(税別)
輸入元:サントリーワインインターナショナル㈱

黒系果実やペッパーの香りが特徴的。程よいタンニンと果実味のバランスが良く、飲みやすい。コストパフォーマンスも高い。

情野 チリワインは全体的にコストパフォーマンスがいい。家飲みのテッパンですね。このワインは、自然にスイーツに手が伸びますね。

河内 ガトーショコラとの相性、驚くほどいいです!

大葭原 本当に美味しいですね。濃縮感のある果実味が、カカオを引き立ててくれます。

情野 料理となら鉄火巻きも美味しいですよ。海苔の香ばしさが際立ってくる。メントール香がさわやかだから“夏の赤”としていいですね。

画像: (赤)サンタ バイ サンタ カロリーナ カルメネール/プティ・ヴェルド2019年

(赤)コノスル ピノ・ノワール ビシクレタ クールレッド 2018年

『コノスル ピノ・ノワール ビシクレタ クールレッド 2018年』
生産者: ヴィーニャ・コノスル
生産国:チリ
品種:ピノ・ノワール100%
価格:880円(税別)
輸入元:㈱スマイル

果実味がしっかりして、酸味のバランスが取れている。噛みしめられるようなジューシーさも魅力。柔らかなピノ・ノワールらしさもきちんと表現されている。冷やして楽しんでも。

大葭原 魚卵は、ワインと合わせるのがなかなか難しい。でも、このワインはイクラとウニにも相性が良くて、驚きました。

情野 確かに合いますね。魚卵の少しねっとりした感じが、ピノ・ノワールの果実味と同調しています。

河内 品種独特の繊細な酸味が、魚卵の旨味を引き立てているようにも感じます。美味しいですね。

情野 麻婆豆腐にも合いますね。辛さがマイルドになる。幅広く楽しめるピノ・ノワールです。

画像: (赤)コノスル ピノ・ノワール ビシクレタ クールレッド 2018年

(赤)コノスル カベルネ・ソーヴィニヨン ビシクレタ レゼルバ 2018年

『コノスル カベルネ・ソーヴィニヨン ビシクレタ レゼルバ 2018年』
※画像は2017年ヴィンテージです
生産者: ヴィーニャ・コノスル
生産国:チリ
品種:カべルネ・ソーヴィニヨン85 %、プティ・ヴェルド5 %、カベルネ・フラン4 %、マルベック4 %、ガルナッチャ2 % 
価格:880円(税別)
輸入元:㈱スマイル

カシスなど、熟度の高い黒系果実のニュアンス。しっかりしつつもこなれたタンニンがあり、果実味も豊かで、ややフルボディな仕上がり。コストパフォーマンスにも優れている。

情野 “カベルネ・ソーヴィニヨン&ハンバーガー”は、王道ですがやっぱり美味しい。

河内 はい。ハンバーガーはワインと楽しむと、味のレベルが上がるように思います(笑)。あとは、ガトーショコラに合わせてもいいと思いました。アフターフレーバーにカカオの風味が残ります。

大葭原 私はピッツァと合わせるのが気に入りました。マルゲリータもいいですが、好みはチーズと海老、春キャベツのほう。味わいがまろやかに感じられました。

情野 これは何にでも合う。懐が深い1本ですね。

画像: (赤)コノスル カベルネ・ソーヴィニヨン ビシクレタ レゼルバ 2018年

(赤)メスタ テンプラニーリョ オーガニック 2018年

『メスタ テンプラニーリョ オーガニック 2018年』
※画像は2016年ヴィンテージです
生産者: ボデガス・フォンタナ
生産国:スペイン
品種:テンプラニーリョ100%
価格:900円(税別)
輸入元:メルシャン㈱
https://drinx.kirin.co.jp/article/recipe/38/

プラムやダークチェリーの香り。メントールのニュアンスがあるが、果実味がしっかりしており、ボリューム感のある味に繋がっている。料理はしっかりした味付けのものを選びたい。

大葭原 オーガニックだからでしょうか、飲み疲れしませんね。チーズサブレと合わせたら、ワインでチーズのコクが引き立って、とても美味しかった。気軽な組み合わせがいいと思いました。

情野 チーズは王道で合いますね。簡単なおつまみで楽しめる感じがいい。

河内 料理なら春巻きや餃子、小籠包。点心類と楽しめそうです。

情野 おなかがいっぱいになったら、ゆっくり、単体で飲んでもいいね。酸が際立って、フレッシュ感が出ます。

画像: (赤)メスタ テンプラニーリョ オーガニック 2018年

(赤)コノスル オーガニック カベルネ・ソーヴィニヨン カルメネール/シラー 2018年

『コノスル オーガニック カベルネ・ソーヴィニヨン カルメネール/シラー 2018年』
※画像は2017年ヴィンテージです
生産者: ヴィーニャ・コノスル
生産国:チリ
品種:カべルネ・ソーヴィニヨン49 %、カルメネール26 %、シラー25 % 
価格:1150円(税別)
輸入元:㈱スマイル

しっかりした色合いながらも、まろやかな味わいで飲みやすい。果実味が豊かで、後味にスパイシーさを感じるので、中国料理との親和性が高い。夏は冷やして飲んでもいい。

河内 ちょっと意外ですが、これ、ウニと合いました。イクラは、正直イマイチでした(笑)。家飲みは、こういう冒険ができて面白いですね。

情野 私は餃子と合うと思いました。ワインにメントール香があるので、さわやかな味わいになる。

大葭原 春巻きも美味しいです。情野さんがおっしゃるように、メントール香が味わいを軽やかにしてくれますね。ボリューミーなハンバーガーも、より美味しくなりそうです。

画像: (赤)コノスル オーガニック カベルネ・ソーヴィニヨン カルメネール/シラー 2018年

(赤)ソラール ビエホ クリアンサ 2018年

『ソラール ビエホ クリアンサ 2018年』
生産者:ソラール ビエホ(フレシネG)
生産国:スペイン
生産地:リオハ
品種:テンプラニーリョ100%
価格:参考価格1700円(税別)
輸入元:サントリーワインインターナショナル㈱

果実味の豊かさとしっかりしたタンニンからなる骨格を感じる。全体的にシャープで、輪郭もはっきりしている。酸と果実味にメリハリがあり、飲み疲れがしない。冷やしても美味しい。

河内 このテンプラニーリョはタンニンがしっかりしている。穴子のツメの甘さにピタリとハマります。

情野 甘い味を引き立ててくれるワインですね。ガトーショコラとの相性もバッチリ。これはカカオというより、チョコレートの甘さそのものがより高みにくる感じ。

大葭原 いわゆる“がっつり系”の料理にも合いますよね。とんかつとか、お好み焼きとか。

情野 いいですね。豚肉料理などをより美味しくしてくれそうです。

画像: (赤)ソラール ビエホ クリアンサ 2018年

(赤)ブルゴーニュ ルージュ クーヴァン・デ・ジャコバン 2017年

『ブルゴーニュ ルージュ クーヴァン・デ・ジャコバン2017年』
※画像は2014年ヴィンテージです
生産者: ルイ・ジャド
生産国:フランス
生産地:ブルゴーニュ地方
品種:ピノ・ノワール100%
価格:2750円(税別)
輸入元:日本リカー㈱

チェリーなど赤い果実の香り。シャープな酸と緻密なタンニンが“クラシカルなブルゴーニュ”を物語る。輪郭がはっきりしており、キレの良い味わい。コストパフォーマンスも抜群。

情野 正統派ブルゴーニュ。これはやはりマグロか鉄火巻きでしょう。

大葭原 赤身の旨味が際立っています。海苔も、より上質な味になった感じがします。

河内 ガトーショコラもいいですよ。最初は酸っぱく感じるのですが、チョコレートの香ばしさが際立ってきます。

情野 デザートにピノ・ノワールは「あり」ですね。後味のモカフレーバーもいい。カベルネ・ソーヴィニヨンとはまた違う魅力ですね。

河内 こういう意外な組み合わせに出合うと、“ワインのスペクタクル”が感じられて楽しいです。(笑)

(赤)ボバル・デ・サンファン・ティント 2018年

『ボバル・デ・サンファン・ティント 2018年』
生産者: チェルビノ・バルサンジアコモ
生産国:スペイン
生産地:DOウティエル・レケーナ
品種:ボバル100%
価格:799(税別)
輸入元:㈱シジシージャパン

果実味がさらりとしており、全体的にシャープな印象。酸とタンニンはしっかりあるが、くせがなく、飲みやすい。バランスがいいので、さまざまな家庭料理にマルチに合いそう。

河内 変化球ですが、タバスコとよく合います。辛くしたオニオンリングやピッツァが美味しい!

情野 ワインに清涼感があるからかな? 赤なのに枝豆やケーキの生クリームとも合います。面白いね。

河内 生クリームとも親和性があるとは。では、チーズも自然に合いますね。(カマンベールを食べて) あ、より滑らかに感じます。くせがなくて、どんな料理にも寄り添ってくれますね。

大葭原 その日あるお料理で、カジュアルに楽しめる感じがいいですね。

画像: (赤)ボバル・デ・サンファン・ティント 2018年

今回のテイスター

情野博之 Hiroyuki SEINO
フランス料理「アピシウス」シェフソムリエ。国際ソムリエ協会認定・インターナショナル・ソムリエ、女子栄養大学非常勤講師、シャンパーニュ騎士団認定オフィシエ、第6回「ポメリースカラシップ」優勝、第3回「全日本最優秀ソムリエコンクール」第 3位、シャンパーニュ・アンリオアンバサダー、『ゴ・エ・ミヨ 2019』の「ベストソムリエ賞」受賞

河内 彪 Kakeru KAWAUCHI
資生堂パーラー「FARO」ソムリエ。幼い頃に見たカクテル本に興味を持ち、料飲の道を志す。ニュージーランド、ホークス・ベイにてブドウ栽培、ワイン醸造を経験し、現地ホテルにてソムリエとして就労。「なだ万」、マンダリンオリエンタルホテル東京「Signature」、「Maison de MINAMI」ソムリエを経て現職

大葭原風子 Fuko OYOSHIHARA
学生時代、フランスのブルゴーニュに留学し、ワインの奥深さを知る。大学卒業後、ワーキングホリデーで渡仏。この間、ブルゴーニュの1ツ星「Le Charlemagne」や、パリ11区のビストロ「Le Sot l’y laisse」に勤務。帰国後、銀座のフレンチレストラン「THIERRY MARX」にてシェフ・ド・ランを務める。2020年「第9回JSAソムリエ・スカラシップ」受賞

text by Kimiko ANZAI
photographs by Tomokazu MATSUKAWA
food styling by Yoko KUBOTA
取材協力:株式会社オカフーズ

画像: 今回のテイスター

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