「ドン ペリニヨン」醸造最高責任者のヴァンサン・シャプロン氏が奇跡のヴィンテージをうたう『ドン ペリニヨン 2010』のお披露目をオンラインで行った。
奇跡、と呼ぶ理由を知るには、2010年の厳しかった気候を説明しなければならない。2010年は前半まではグレートヴィンテージとされる1996年に近い気候だった。それが一転したのは8月15、16日のこと。この2日間で1年分の雨量という大雨に見舞われ、それがもたらした湿気のせいで9月4、5日にピノ・ノワールに「灰カビ病」が発生。ドン ペリニヨンでも綿密な選果を行わざるを得ず、結果的にピノ・ノワールの15パーセントの収穫を諦めることとなった。
このような状況だっため、2010年のヴィンテージをリリースしたメゾンはほかにない。それだけ困難だった年にこのヴィンテージを造ることができたのは、同じく困難な年だった2003年を経験したからだ、とシャプロン氏は語る。
「この経験があったからこそ、各パーセルの状況を見極め、9月15日の収穫時にどの区画から収穫するか正確な判断をした」
その結果がうまく働いた。厳しく選果されたピノ・ノワールの出来は絶品で、「2002、03年に次いで糖度が高い年です。リッチで豊かさが水平に広がり、垂直方向に酸が広がる2面性を持った味わい」だと自信をみせる。またシャルドネも熟度が高く、濃厚さ、深み、バランスの良さは30年に一度の出来を誇るという。
『ドン ペリニヨン 2010』はシャルドネ54、ピノ・ノワール46パーセントをアサンブラージュ。グリーンマンゴーや酸のあるパイナップル、ストーンフルーツ、ジャスミンのようなフローラルさを持つ。スパイスの要素もあり、クリーンでフレッシュな味わいだ。
この奇跡は間もなくの発売を待って体験することができる。10月上旬より主要大手百貨店より順次発売される予定だ。