30℃超えが続いた、ある夏の日。本日も築地は暑く、編集部にはミーンミーン……とセミの声が鳴り響きます。
「暑い……暑いね……クーラーつけていても(換気のために)窓を開けているから、もわっとするね……」
仕事がひと段落し、待ちに待った定時です。しかし気温が下がらず、蒸し暑さは募る一方。すると、どこからともなく
「こんな時こそ、さわやかな白ワインの気分。よく冷やしたフレッシュ系の……そうだ、甲州の白ワインは?」
さっそく、編集部のワインセラーをチェック。すると、先日、キッコーマングループさんから新商品としてサンプルを送っていただいた『マンズワイン しふく』を発見しました。
素材の持ち味をいかす日本料理を、さらなる高みに導く『しふく』
この『しふく』は、「マンズワイン」と京料理「木乃婦」3代目主人の高橋拓児氏とのコラボレーションで生まれた“和食に合う日本ワイン”。
資料を見ると「山梨県産の甲州ブドウを使用し、すっきりとした穏やかな香り、フレッシュな和柑橘類を思わせる酸味と柔らかな口当たりのワインです」と書いてあります。まさに、今の私たちのシチュエーションにぴったりの味わいです。
「さぁ、抜栓だ!」意気揚々とコルクを抜こうとしたその時、
「今すぐ飲みたい気持ちはやまやまだけど、このワインは、日本料理を引き立てる味わいが特徴。せっかくだから、お店の料理と合わせたらどうでしょう?」と天の声。
そこで、築地にある日本ワインが楽しめるワインバー『蔵葡(くらぶう)』に、ご協力いただくことにしました。
果実の甘やかさ、ふくよかで厚みのある甲州ワイン
お店に到着し、いよいよテイスティングです。
グラスを回すと立ち上るのは、グレープフルーツやレモン、そしてユズなどの和柑橘類。「これぞ甲州!」と誰もが納得する香りを満喫した後は、いよいよ味わいです。口に含むと、華やかな第一印象。そしてブドウの果実をほおばった時のような、さわやかな酸と甘やかさが口いっぱいに広がります。まさにフレッシュ&ジューシー!
シェフの岩川直巳氏にも味わっていただきました。
「酸もしっかりあるのですが、ふくよかで厚みもありますね。最初は冷やしめでフレッシュに、少しずつ温度が上がると、よりボリュームを感じられるのではないでしょうか? 甲州はタイトなものが多いですが、この『しふく』はボリューム感があり、幅広い和食と相性がよいと思いますよ。では、この味わいに合わせてお料理を選びましょう」
(左上から時計周りで)「ズッキーニの煮びたし」「(ゴマダレをかけた)イチジクのてんぷら」「ピリ辛水ナス和え」「サバのスモーク」「ポテトサラダの生ハム巻き」「魚の南蛮漬け」。
驚いたのは「サバのスモーク」とのペアリングです。スモークされたサバから溢れ出るふくよかな脂が『しふく』が持つ甘やかさ、そして厚みとベストマッチ。「イチジクのてんぷら」は、イチジクの甘さ、そしてゴマダレのコクが『しふく』と響き合います。
『揚げるとイチジクの甘さが封じ込められるから、口に含んだ途端ジューシーに弾けるんですよ。ゴマのふくよかさとワインのふくよかさが合うでしょう?』と岩川シェフ。
マッシュポテトとブルーチーズを生ハムで巻いた「ポテトサラダの生ハム巻き」は、チーズのコクと、ワインの厚みが、口中でベストハーモニーを奏でます。添えられたヨーグルトとリンゴのソースがこれまた、ぴったり。
『しふく』は、甲州独特の苦味は控えめながらも、余韻に苦味のニュアンスをひそかに感じるので、次の一箸が自然に進みます。
『ほかにもこんな料理はどうでしょう。例えば、ゴマ油で和えた牛肉のタルタルに、小さな角切りにしたタマネギと細切りにした九条ネギを乗せたもの、お出汁の旨味にも合うので「出汁のスープパスタ」、あとクルミチーズにも……そうそう、今日良いムール貝が入ったんですよ! このミネラル感も絶対に合うと思います』と、ペアリングのアイディアが止まらない岩川シェフ。
いろいろな料理との合わせを体験し、改めて‟ワインと料理の関係は奥が深い”と実感しました。新たな発見は、まさにペアリングの醍醐味! 皆さんもぜひ、いろいろなペアリングを体験してみてください。
今回紹介したワイン『マンズワイン しふく』
品種:甲州100%
問い合わせ:マンズワイン㈱ TEL.0553-44-1152
販売価格:7000円(税別)
ブランドサイト
https://mannswines.com/shitsurae/
取材協力「蔵葡」
築地にある日本のワインが楽しめるワインバー。北海道から九州(宮崎県)まで網羅、その数なんと200種。グラスワインも豊富にあり、白、赤併せて10種類以上。
東京都中央区築地1-5-11 AS ONE Ginza East1F
TEL.050-3467-6705