オーストリアのレンツ・モーザー氏とマルクス・フーバー氏がタッグを組んだ新プロジェクト、『ニュー・チャプター』のウェビナーが開催された。

 レンツ・モーザー氏はオーストリアの代表的な品種であるグリューナー・ヴェルトリーナーの「ハイカルチャー仕立て」を開発し、オーストリアワインの生産量アップに貢献したレンツ・モーザー博士の子孫。マルクス・フーバー氏は2020年「インターナショナル・ワイン・チャレンジ」で「ベスト白ワインメーカー」に選ばれるなど世界でも注目されている造り手だ。オーストリアのトップ生産者としてゆるぎない地位を確立している2人がタッグを組んだとして、早くも自国では注目を集めている。

 グリューナー・ヴェルトリーナーは、ドイツ語圏の国でその9割が消費されているため、ほかの地域での知名度は高いとは言えない。それを世界のひのき舞台に載せることを目的にこの、プロジェクトは始まった。

「グリューナー・ヴェルトリーナーの新しいスタイルを提案したい。私たちは年こそ親子ほど離れていますが、ワイン造りが好きで情熱をもつ2人の友情から生まれたプロジェクトです」とモーザー氏は話す。

 今回のワインを造るにあたって、世界で成功している白ワインを100以上試飲し、ベンチマーク(指標)を決めたという。グリューナー・ヴェルトリーナーは一般的にコクがあり豊満な味わいだが、世界で成功している白ワインのスタイルはしっかりした果実味と生き生きした酸味、フレッシュで飲みやすさもある。彼らが目指すのはこのスタイルにグリューナー・ヴェルトリーナーの個性を発揮したものだ。

 『ニュー・チャプター』は丘陵の中腹にある東向きの畑で栽培されたグリューナー・ヴェルトリーナーを使用。ここはオーストリアで唯一、石灰質土壌に植えられたグリューナー・ヴェルトリーナーだという。

 「この畑は涼しい気候で、生き生きとした酸が生まれます。120区画から選抜したブドウはピュアやミネラル感、フレッシュ感があります。畑はオーガニックで、畝ごとにクローバーやサンフラワーなど異なったカヴァークロップを植え、畑を健全な状態にしています」とフーバー氏はオンラインで畑を案内してくれた。

 ブドウは最高の区画から選別し、収穫も10月初旬~11月初旬にかけて、熟度の異なる段階で収穫。またグリューナー・ヴェルトリーナーに欠けているフィネスやエレガントさを与えるために1パーセント程度、リースリングなどの白ブドウをブレンドした。

画像: 丘陵の中腹に位置する畑はすべてが東向き。樹齢は一番古いもので70年だという

丘陵の中腹に位置する畑はすべてが東向き。樹齢は一番古いもので70年だという

「オーストリアのワイン造りは“ブレンド”に重きを置かず、最高区画のブドウが最上であるという概念です。しかし、私たちが造るニュー・チャプターは最高区画のブドウ、収穫時期の違うブドウ、また少量別の品種をブレンドするのが特徴です」

 醸造は部分的に全房発酵し、マセラシオン6~7時間。ステンレスタンクと樽を使用している。

 テイスティングは『ニュー・チャプター』のほかに、ニュージーランドの『クラウディ・ベイ2020年』フランス、ボルドー地区の『シャトー・カルボニュー ブラン2018年』と比較しながら行われた。どちらも世界的に成功しているワインとして今回セレクトされた。

 両ワインもミッドパレットに出てくる柑橘のきれいな酸味が、ニュー・チャプターと共通している。ニュー・チャプターは特にフレッシュな柑橘のニュアンスがさわやかで、これからの初夏の季節に飲みたくなるワインだ。クリーンな酸とピュアな果実、程よい厚みがあるスタイルは和食全般と合わせやすいだろう。白身魚のお刺し身や、天ぷら、酢の物などの料理と合わせていただきたい。

画像: このワインがコンセプトとしているのは「Tomorrow’s Gruener Today」。「明日のグリューナ―・ヴェルトリ―ナのスタイルを今日飲んでほしい」という意味が込められれている。

このワインがコンセプトとしているのは「Tomorrow’s Gruener Today」。「明日のグリューナ―・ヴェルトリ―ナのスタイルを今日飲んでほしい」という意味が込められれている。

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