恒例のシャブリワインコンクールは昨年に続き今年もコロナ禍対応の感染防止措置を徹底し、少人数での選考となった。

審査の対象ボトルはグランクリュが2019年産、シャブリ・プルミエ・クリュ、シャブリ、プティ・シャブリが2020年産。ワインジャーナリストのギヨーム・バロワン氏が審査員長を務め、ソムリエ、ワインジャーナリスト、クルティエ、レストラン関係者など計44名が審査員を務めた。エントリーボトルは66のドメーヌ、ネゴシアンが提出した計262本。その中からカテゴリー別に計29本を選び、メダルを授与した。

シャブリのブドウ畑は約5600haで一つの協同組合、37のネゴシアン、379軒の個人生産家が耕し、約3400万本を生産している。65%が輸出。日本(10%)はドイツ(22%)、米国(12%)に続いて3番目の輸出相手国だ。

画像: 「シャブリワインコンクール2022」開催。262本の中から29本にメダルを授与

プティ・シャブリ2020

金メダル
■ドメーヌ・モロー・エ・フィーユ(Domaine MOREAU et Fille)
■ランブラン・フィス(LAMBLIN Fils)
■ドメーヌ・パシ・ル・クルー(Domaine PASSY LE CLOU)

銀メダル
■ラ・シャブリジエンヌ『パ・シ・プティ』(La CHABLISIENNE, Pas Si Petit)
■ドメーヌ・デ・マロニエ(Domaine des MARRONNIERS)

銅メダル
■ドメーヌ・ゴトロン・アラン・エ・シリル(Domaine GAUTHERON Alain et Cyril)

シャブリ2020

金メダル
■ドメーヌ・バルデ・エ・フィス(Domaine BARDET et Fils)

銀メダル
■ジャン・コレ・エ・フィス(Jean COLLET et Fils)
■ドメーヌ・ギ・ロバン『キュヴェ・マリ・アンジュ』(Domaine Guy ROBIN, Cuvée Marie-Ange)

銅賞
■ドメーヌ・シュヴァリエ(Domaine CHEVALIER)
■アントワーヌ・エ・ローラン・ロバン(Antoine et Laurent ROBIN)
■ドメーヌ・ヴェレ(Domaine VERRET)

シャブリ・プルミエクリュ2020、左岸

金メダル
■ドメーヌ・デ・アット『ビュトー』(Domaine des HATES, Butteaux)
■ドメーヌ・パンソン・フレール『モンマン』(Domaine PINSON Frères, Montmains)

銀メダル
■シモネ・フェーブル『ボロワ』(SIMONNET-FEBVRE,Beauroy)

銅メダル
■ドメーヌ・パンソン・フレール『フォレ』(Domaine PINSON Frères,Forêts)
■ドメーヌ・パンソン・フレール『ヴォジロ』(Domaine PINSON Frères,Vaugiraut)
■ランブラン・フィス『ヴァイヨン』(LAMBLIN Fils,Vaillon)

シャブリ・プルミエクリュ2020、右岸

金メダル
■ドメーヌ・ジャン・ポール・エ・ブノワ・ドロワン『ヴォロラン』(Domaine Jean-Paul et Benoît DROIN, Vaulorent)

銀メダル
■ドメーヌ・クリストフ・エ・フィス『フルショーム』(Domaine CHRISTOPHE et Fils, Fourchaume)
■ドメーヌ・ゴトロン・アラン・エ・シリル『ヴォクパン』(Domaine GAUTHERON Alain et Cyril, Vaucoupin)

銅メダル
■ドメーヌ・ゴトゥロン・アラン・エ・シリル『ロム・モール』(Domaine GAUTHERON Alain et Cyril, L'Homme Mort)
■ドメーヌ・クルトー・ミシュレ『モン・ド・ミリュー』(Domaine COURTAULT MICHELET, Mont de Milieu)

シャブリ・グランクリュ2019

金メダル
■ドメーヌ・ジャン・ポール・エ・ブノワ・ドロワン『ヴォデジール』(DomaineJean-Paul et Benoît DROIN, Vaudésir)
■ルイ・ジャド『ブランショ』(Louis JADOT, Blanchot)

銀メダル
■ドメーヌ・デ・マランド『レ・クロ』(Domaine des MALANDES, Les Clos)
■ラ・シャブリジエンヌ『プルーズ』(La CHABLISIENNE,Preuses)

銅メダル
■シモネ・フェーブル『ブランショ』(SIMONNET-FEBVRE, Blanchot)
■ドメーヌ・ジャン・ポール・エ・ブノワ・ドロワン『レ・クロ』(Domaine Jean-Paul et Benoît DROIN, Les Clos)

2020年は、気象条件恵まれた年

2020年はコロナ禍に翻弄され、シャブリの栽培家の耕作作業や収穫にも困難が付きまとった。しかし、年間通して気象条件に恵まれ、フレッシュさとシャブリワインらしいミネラル感のある大変バランスの良い、クラシックなミレジムとなった。2020の年最大の特徴は成育が極めて早かったことだ。ほとんどのシャブリのドメーヌが8月下旬に収穫を始め、9月の半ばに収穫を終えた。

画像1: 2020年は、気象条件恵まれた年
画像2: 2020年は、気象条件恵まれた年

グラフで見る通り、2020年の1月、2月の気温は平年に比べかなり高く、また、2月、3月に例年より多くの雨が降ったため3月下旬に発芽した。春先は毎年、夜半に畑に出て霜対策の準備に追われるが、2020年はコロナのまん延に伴う外出禁止令がフランス全土に出された時期と重なったため一層複雑なものになった。

画像3: 2020年は、気象条件恵まれた年
画像4: 2020年は、気象条件恵まれた年

幸い、概して湿度が低かったため、3月末から4月上旬、そして5月11日、12日に気温が下がったが、霜害による被害は丘の下部の冷気のたまる場所など局所に留まった。開花は順調に進んだため、一部の霜害に会った畑などで不結実、結実不良などがあったが、全体には十分な収穫を見込めるものになった。しかし、夏は暑く、干ばつ気味で、場所により水不足により成育のスピードが鈍ったため、これにより実が収縮し、収穫量の減少の要因となった。特に午後の強い日差しに晒された西向きの畑や、保水力の弱い砂利質土壌、あるいは樹勢の弱い台木が植えられた畑では、暑さと乾燥に耐えられず被害がでたところもある。

画像5: 2020年は、気象条件恵まれた年
画像6: 2020年は、気象条件恵まれた年

収穫は8月24日から始まり、約3週間続いたが、この間、ブドウ畑の衛生状態は素晴らしく、落ち着いて計画的に収穫を続けることができた。最終的な収穫量は夏の干ばつが影響して当初の期待よりやや少なくなったが、満足のできるものだった。

一方、2019年産は5月が寒く、6月、7月に40度を超す暑さにさらされるなど、不安定な天候で、収穫量が少なかった。また、味わいの点でも2020年産に比べると、バランスの点で、キュヴェによるややバラつきが多い。

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