パリのレストラン「Biondi(ビオンディ)」で、シャンパーニュ「Laurent Lequart(ロラン・ルカール)」の試飲・昼食会が開かれた。

画像: シャンパーニュ「ロラン・ルカール」のロラン&ナタリ・ルカール夫妻

シャンパーニュ「ロラン・ルカール」のロラン&ナタリ・ルカール夫妻

ロラン・ルカールは1965年にヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区のパッシー・グリニー村に居を定めたクロード・ロラン氏が始めたドメーヌで、1967年に初めてボトル詰めし、1971年から製品の販売を始めた。

現在息子のロラン・ルカール氏がブランドを確立し、新しい展開を行っている。ロラン・ルカールの特徴は、地元の協同組合の醸造設備を利用していることで、2005年からロラン・ルカール氏が約60名の会員(130ヘクタール)を擁する協同組合の会長を務めている。

収穫したブドウを協同組合の施設に持ち込み、独自の方法で醸造、瓶詰した後、ボトルをドメーヌに引き取り、熟成した後シャンパーニュ・ロラン・ルカールのブランドで販売する。こうすることで、ドメーヌのアイデンティティが保たれているという。

画像: ロラン・ルカール氏は、2005年からパッシー・グリニー・シャンパーニュ生産協同組合の会長を務めている

ロラン・ルカール氏は、2005年からパッシー・グリニー・シャンパーニュ生産協同組合の会長を務めている

1992年にロラン・ルカール氏と結婚してドメーヌに加わったナタリーさんはノルマンディの出身で、大学で経済、社会学を学んだ。ロラン・ルカール氏と共にシャンパーニュの生産、販売に情熱をもって取り組み、二人三脚でドメーヌを発展させてきた。また、最近、二人の息子がドメーヌに加わり、新たな活力を得ている。

耕作面ではキュルチュール・レゾネの耕作に積極的に取り組み、2019年に環境保護に重点を置いたフランスの公的認証「HVE」と、シャンパーニュワイン委員会が推進している永続可能なブドウ栽培の認証「VDC」を取得した。現在、計11.4ヘクタールを耕し、6万5000本を販売し、35パーセントを輸出している。

よく知られているように、シャンパーニュの主要品種は生産地域ごとに大きく異なり、モンターニュ・ド・ランス地区はピノ・ノワール40パーセント、ムニエ33パーセント、シャルドネ27パーセントとかなりバランスが取れているが、コート・デ・ブラン地区はシャルドネが85パーセント、コート・デ・バール地区はピノ・ノワールが84パーセントを占め対照的だ。

ロラン・ルカールがあるヴァレ・ド・ラマルヌ地区はムニエが約60パーセントを占め、ムニエの王国と呼ばれている。ムニエは開花が遅くて収穫が早く、病害にも強いため、湿度が高く、霜の害も受けやすいこの地域に適応してきた。ロラン・ルカールも作付面積の 80パーセントにムニエを植えている。

画像: 左:『ブラン・ド・ムニエ‐ブリュット・ナチュール』、右:『プレステージ・ピュール・ムニエ‐エクストラ・ブリュット』

左:『ブラン・ド・ムニエ‐ブリュット・ナチュール』、右:『プレステージ・ピュール・ムニエ‐エクストラ・ブリュット』

試飲したボトルは『クール・ド・キュヴェ‐エクストラ・ブリュット』『ブラン・ド・ムニエ‐ブリュット・ナチュール』『プレステージ・ピュール・ムニエ‐エクストラ・ブリュット』『レゼルヴ‐エクストラ・ブリュット』『ドゥスール・ド・ムニエ‐甘口』『セニェ・ド・ムニエ‐エクストラ・ドライ』。

いずれも、ムニエにこだわった製品で、シャルドネ主体の製品やピノ・ノワール主体の製品とは異なる、果実味と丸み、ふくらみのある飲みやすい味わいだ。

キュヴェごとに個性があり、興味深いものだったが、特に印象に残ったのは、100パーセント、ムニエの古木で作った糖無添加辛口の『ブラン・ド・ムニエ‐ブリュット・ナチュール』、また100パーセントムニエで、50パーセントを新樽で発酵し、6ヵ月バトナージュを行った『プレステージ・ピュール・ムニエ‐エクストラ・ブリュット』は力のあるシャンパーニュでかなり長期間、保存熟成できるだろう。

画像: 甘口の『ドゥスール・ド・ムニエ』とフォワグラ料理

甘口の『ドゥスール・ド・ムニエ』とフォワグラ料理

また、フォワグラに合わせた『ドゥスール・ド・ムニエ』は100パーセントムニエで、バリック醸造した2010年産のワインをベースに造ったもの。ドザージュは54gとかなり高いが、重さを感じさせないバランスの良さが印象的だった。

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