シャンパーニュ・メゾン「ボランジェ」の前セラーマスター、ジル・デコート氏が逝去した。闘病の末、57歳で生涯の幕を閉じた。

デコート氏の下、ボランジェはグランメゾンとして大きな発展を遂げてきた。彼の在任中、ボランジェはフランス政府が認める「HVE」(*)をシャンパーニュ・メゾンとして初めて取得。2014年には「シャンパーニュにおける持続可能なブドウ栽培」の認証も受け、環境保護への先進的な取り組みをしているメゾンとして注目された。また、デコート氏は昨年リリースされた『ラ・グラン・ダネ 2014年』を世に送り出すことに尽力し、多大な貢献を果たしてきた。

『ワイン王国 102号』(2018年1月号)でシャンパーニュの現地取材を行った際には、ボランジェの歴史と、ピノ・ノワールのふくよかな味わいを表現するメゾンのスタイル、そのスタイルを反映させたロゼ・シャンパーニュについて説明してくれた。
デコート氏は「私が造りたいのは“ボランジェらしいロゼ”。ブラインドで飲んでも、すぐに『ボランジェだ!』とわかるロゼなのです」と熱い思いを語ってくれた。

心よりご冥福をお祈りいたします。

* Haute Valeur Environnementale(環境価値重視認証)。生物多様性の保全、植物防疫戦略、施肥管理、水資源対策の四つの分野について規定を順守した農業従事者に与えられる環境認証の中で、最高レベルの認証

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