暑さマックスの今こそお勧めしたい、フランス、ローヌのワイン。赤は少し冷やして飲むとさわやかになりスパイシーな料理と相性抜群。沢樹舞さんがレシピを教えてくれました。
沢樹 舞
Mai SAWAKI
12 年間モデルとして国内外で活躍し、現在はワインスペシャリスト&菜園料理家。㈱たべるの代表。ワインに合う家庭料理レシピを提案。ウェブサイト「たべるの」主宰
シンプルな美味しさを楽しむペアリング「シャトー・ダケリア」
夏は、赤ワインも少し冷やして楽しむという沢樹舞さん。
「セラーから出したての11〜12℃くらいか、ワインによっては白と同じくらい冷やすものもあります」
特にグルナッシュやシラーを主体にしたローヌ地方の赤ワインは、口に含んでひんやり感じる程度が心地いいという。
「シャトー・ダケリアのワインはローヌらしい明るさがあり、グルナッシュの印象を強く感じます。酸味もあるワインなので、夏は冷やすと美味しいのです」
温度を下げることできれいな酸が際立ち、タンニンのバランスも整って清涼感が出る。
「常温だと“温もり”につながるスパイシー感が、冷やすことでさわやかな風味に変わります。シンプルさを生かした料理が合いますよ」と沢樹さんが用意したのは、ラムチョップのローストとラタトゥイユ。南仏らしいメニューだ。
「エスニックの定番スパイス、クミンとコリアンダーにフェンネルシードを加えて地中海風にアレンジ。チャーミングなこの赤ワインにぴったりです」
ラタトゥイユにはほんの少しカレー粉を加えて、ワインと料理のトーンを整える。食材の素直な美味しさをスパイスの香りで楽しむような仕立てで、ワインと一緒に味わうとソースを添えるような効果が生まれるという。
「ワインの香りと料理の風味を重ねた、夏らしくアロマティックなマリアージュです」
夏野菜のラタトゥイユ
[材料](作りやすい分量)
・ナス、ズッキーニ…各2 本
・赤パプリカ…1 個
・玉ネギ、トマト…各1 個
・ニンニク…1片
・オリーヴオイル…適量
・塩…小さじ1/2
・カレー粉…大さじ1
[作り方]
① 野菜はすべて食べやすい大きさに切り、ニンニクは包丁の腹で潰す。
② 厚手の鍋にオリーヴオイルとニンニクを入れて熱し、香りが立ってきたら玉ネギを入れて炒める。しんなりしてきたらナス、ズッキーニ、パプリカを加えてさっと炒める。
③ トマトを入れて塩を加え、蓋をして20 分ほど煮る。仕上げにカレー粉を振りざっと炒め合わせる。
ラムチョップのスパイス焼き
[材料]
・ラムチョップ…3 本
・ニンニク(すりおろし)…小さじ3
・塩、コショウ、オリーヴオイル…各適量
・コリアンダーシード、クミンシード、
フェンネルシード…各少々
[作り方]
① ラムチョップに強めに塩とコショウをふってオリーヴオイルをまぶし、15 分ほどマリ
ネする。
② ニンニクを塗り、スパイス類をのせて200℃に予熱したオーブンで約12 分焼く。
「シャトー・ダケリア」
1595 年から続くシャトー。1919 年よりオリヴィエ家がワイン造りを担っていたが、2022 年「ギガル」に事業を譲渡。砂を多く含む土壌から生まれるワインは、果実味豊かでアロマティック。
text by Miki NUMATA
photographs by Hiroshi INOMATA
ワインの問い合わせ先:㈱ラック・コーポレーション TEL. 03 - 3586 - 7501