「カバ原産地呼称統制委員会」と「スペインハモンセラーノ協会」が日本向けの合同キャンペーンを展開している。

欧州連合(EU)が世界に向けて発信する高品質な農産物のプロモーション“ENJOY, IT’S FROM EUROPE”の一環で、2026年までの3年間にわたり行われる。プロフェッショナルと一般愛好家の双方に向け、ほしい情報にアクセスできるサイトの開設やセミナーの実施を予定しているという。

6月に同プロモーションのオープニングセレモニーとして、ワインや食のプロフェッショナルが集うディナーパーティーが開かれた。カバ原産地呼称統制委員会のジュディット・マネロさんと、スペインハモンセラーノ協会のアルバロ・ディアス・デ・リアーニョ氏が来日し、キャンペーンの詳細と、スペインを代表するカバとハモンセラーノの魅力を語った。

画像: 左から、キャンペーンアンバサダーを務める作元慎哉氏(六本木「フェルミンチョ」シェフ)、「カバ原産地呼称統制委員会」のジュディット・マネロさん、「スペインハモンセラーノ協会」のアルバロ・ディアス・デ・リアーニョ氏、コルタドール(スペインハモンセラーノ協会認定カット職人)の作元典子さん、カバエキスパートに任命された菊池貴行氏(市ヶ谷「レストランティンガナ」シェフソムリエ)

左から、キャンペーンアンバサダーを務める作元慎哉氏(六本木「フェルミンチョ」シェフ)、「カバ原産地呼称統制委員会」のジュディット・マネロさん、「スペインハモンセラーノ協会」のアルバロ・ディアス・デ・リアーニョ氏、コルタドール(スペインハモンセラーノ協会認定カット職人)の作元典子さん、カバエキスパートに任命された菊池貴行氏(市ヶ谷「レストランティンガナ」シェフソムリエ)

共通キーワードは“熟成”

カバとハモンセラーノの共通キーワードは“熟成”だ。
「カバとハモンセラーノが熟成を楽しむものであるように、今日はこの時間、ひと時を楽しんでほしい」と、アルバロ・ディアス氏は思いを込めた。

カバは世界的に認知されているスパークリングワインで、現在は100カ国以上に輸出されているという。より高品質なカバを目指すべく、2020年にはDOカバの新規定が制定され、コムタッツ・デ・バルセロナ、バリェ・デル・エブロ、ビニェドス・デ・アルメンドラレホ、レバンテの四つのゾーンが誕生、産地の明確化が進んだ。
熟成期間により色分けされた認証マークも導入し、カバ・デ・グアルダ(9カ月以上)、カバ・デ・グアルダ・スペリオル・レセルバ(18カ月以上)、カバ・デ・グアルダ・スペリオル・グラン・レセルバ(30カ月以上)、カバ・デ・グアルダ・スペリオル・パラヘ・カリフィカード(36カ月以上)とそれぞれ定められた。
さらに、特別に認証された畑のブドウを使用するなど、厳しい基準をクリアしたカバには、ひし形の中に「P」と書かれた認証マークが付けられる。

ハモンセラーノはスペイン産の世界3大生ハムの一つで、塩漬けにした白豚のももを長期間乾燥、熟成して作られる。一般的なハモンセラーノの熟成期間は約7カ月だが、ハモンセラーノの品質を広める目的で設立された「スペインハモンセラーノ協会」に所属する生産者は約12カ月熟成させるという。1990年に組織された同団体には、現在24社が所属し、輸出されるハモンセラーノの約65パーセントを同団体のアイテムが占めているそうだ。

画像1: 共通キーワードは“熟成”
画像2: 共通キーワードは“熟成”

ディナーでは、ハモンセラーノを使った料理3品と、2種類のカバが供された。
市ヶ谷のスペインレストラン「ティンガナ」シェフソムリエの菊池貴行氏は「ロゼ・カバは、ハモンセラーノの持つ旨味成分に合わせやすい味わいがある。だしの文化を持つ日本料理にもぴったりです」と説明した。
今回供された、30カ月以上熟成のグラン・レセルバは、チャレッロ、マカベオ、パレリャーダにシャルドネを少しブレンドしたもの。豊かな果実味にブリオッシュの風味も感じられ、こちらも熟成感溢れるハモンセラーノとの相性は抜群だった。
菊池氏は「ハモンセラーノの塩味、旨味には、それぞれ、カバのミネラル感、旨味がマッチする。また、ハモンセラーノの脂身をカバの泡がさっぱりさせてくれるのです」と、ペアリングのポイントを教えてくれた。

ともにスペインで生まれ、さらなる品質向上が期待されるカバとハモンセラーノ。この3年間で予定されているイベントも併せて楽しみたい。

画像: 「アスパラガス ハモンセラーノの菜園」

「アスパラガス ハモンセラーノの菜園」

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