フランスのワイン専門誌『ラ・ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス(RVF)』が主催する国別対抗の世界ブラインド・テイスティング選手権「ワールド・テイスティング・チャンピオンシップ」が10月17日、南仏アヴィニョンの法王庁宮殿で開かれた。41チームが参加し、優勝はフランス(189点)。日本は終了直前時点で首位に立っていたが、最後の12本目で逆転され、181点で2位となった。日本チームのこれまでの最高位は2024年の4位で、今回これを更新した。3位はブラジル(159点)。

大会の概要

このコンクールはRVF誌が2013年に始めたもので、今回14回目。2024年はボルドー、マルゴーのシャトー・ドザック、2025年はジュラのフォール・デ・ルースで開かれた。これまでの優勝国は2013年ベルギー、2014年フランス、2015年スペイン、2016年中国、2017年スウェーデン、2018年ベルギー、2019年フランス、2020年フランス、2021年ハンガリー、2022年ルクセンブルク、2023年ルーマニア、2024年イタリア、2025年フランス。
今回はAOCシャトーヌフ・デュ・パプの協力により、前日16日にシャトーヌフ・デュ・パプのメゾン・オジエでマスタークラス、前夜祭が行われ、17日朝から法王庁宮殿で本戦、夜は同宮殿でガラディナーという日程が組まれた。

競技形式は従来通り。各チームが12本のワインをブラインドで試飲し、それぞれについて主要品種、生産国、アペラシオン、ヴィンテージを答える。

日本チームとフランスチーム

画像: 日本チームとフランスチーム

日本からは大倉野泰造氏(テレビ局勤務)、片山正樹氏(建築士)、横山武信氏(ビルメンテナンス会社経営)、田尻智之氏(経営コンサルタント)、コーチ染谷文平氏(パリ在住ソムリエ・ジャーナリスト)が出場した。大倉野、片山、横山の3氏は2024年大会で4位に入ったメンバーである。
2連覇を果たしたフランスは、今年6月のフランス選手権で優勝したカンディ・サンガレ氏と、オテル・デュ・カップ・エデン・ロックのソムリエ、カミーユ・ギルボー氏の2人のみで出場した。大会前には、ポリーヌ・モンクリュ氏を加えた初の女性3人のチームとして発表されていた。サンガレ氏は元客室乗務員で、現在は美食とワインの体験を企画する会社を主宰している。フランスの優勝は2014年、2019年、2020年、2025年に続き5回目。

競技の経過

画像: 競技の経過

1本目、2010年産のルクセンブルクのクレマンで得点できたのは、41チームのうちフランスだけだった。順位が大きく動いたのは4本目、シェーファーのカーネロス産シャルドネである。18チームが無得点に終わるなか、日本が首位に立った。6本目を終えた時点ではフランスが86点で首位に戻り、ドイツと日本が84点で並んだ。

7本目のクローズ・エルミタージュでは、ドイツが22点を挙げて首位に立った。しかし8本目のサンテミリオン・グラン・クリュで無得点に終わり、このワインで最高点を挙げた日本が首位に戻った。9本目のブルネッロ・ディ・モンタルチーノでも、日本はブラジルとともに最高点を挙げた。10本目の寧夏では中国が、11本目のフミーリャではスペインが、それぞれ自国のワインで最高点を挙げている。11本目を終えた時点のスコアは日本171点、フランス166点である。

最後の12本目はブランディーズのマデイラ、セルシアル10年である。フランスはこの1本で23点を挙げ、10点にとどまった日本を8点差で逆転した。アメリカもこのワインで20点を挙げ、7位から5位に上がった。なお、前回2025年の優勝スコアは135点であり、今回は上位チームの得点が全体に高かった。

出題ワイン

■ワインNo.1 Château Pauqué, Crémant du Luxembourg « Les Bulles du Paradis » 2010(シャトー・パーケ、クレマン・デュ・リュクサンブール「レ・ビュル・デュ・パラディ」2010年)=主なブドウ品種:シャルドネ、ピノ・ブラン、オーセロワ/生産国:ルクセンブルク/アペラシオン:クレマン・デュ・リュクサンブール/生産者:シャトー・パーケ/ヴィンテージ:2010年

■ワインNo.2 Hartenberg, Stellenbosch Sauvignon Blanc 2025(ハーテンバーグ、ステレンボッシュ・ソーヴィニヨン・ブラン 2025年)=主なブドウ品種:ソーヴィニヨン・ブラン/生産国:南アフリカ/アペラシオン:ステレンボッシュ/生産者:ハーテンバーグ/ヴィンテージ:2025年

■ワインNo.3 Grosset, Springvale Riesling, Clare Valley 2022(グロセット「スプリングヴェール」リースリング、クレア・ヴァレー 2022年)=主なブドウ品種:リースリング/生産国:オーストラリア/アペラシオン:クレア・ヴァレー/生産者:グロセット/ヴィンテージ:2022年

■ワインNo.4 Shafer, Red Shoulder Ranch Chardonnay, Carneros 2024(シェーファー「レッド・ショルダー・ランチ」シャルドネ、カーネロス 2024年)=主なブドウ品種:シャルドネ/生産国:アメリカ/アペラシオン:カーネロス(ナパ・ヴァレー)/生産者:シェーファー/ヴィンテージ:2024年

■ワインNo.5 François Chidaine, Montlouis-sur-Loire « Les Choisilles » 2024(フランソワ・シデーヌ、モンルイ・シュル・ロワール「レ・ショワジーユ」2024年)=主なブドウ品種:シュナン・ブラン/生産国:フランス/アペラシオン:モンルイ・シュル・ロワール/生産者:フランソワ・シデーヌ/ヴィンテージ:2024年

■ワインNo.6 Weingut Ziereisen, Pinot Noir « Jaspis », Landwein Oberrhein 2021(ツィアライゼン醸造所、ピノ・ノワール「ヤスピス」、ラントヴァイン・オーバーライン 2021年)=主なブドウ品種:ピノ・ノワール/生産国:ドイツ/アペラシオン:ラントヴァイン・オーバーライン(バーデン)/生産者:ツィアライゼン/ヴィンテージ:2021年

■ワインNo.7 Laurent Combier, Crozes-Hermitage 2024(ローラン・コンビエ、クローズ・エルミタージュ 2024年)=主なブドウ品種:シラー/生産国:フランス/アペラシオン:クローズ・エルミタージュ/生産者:ローラン・コンビエ/ヴィンテージ:2024年

■ワインNo.8 Château Capet-Guillier, Saint-Émilion Grand Cru 2020(シャトー・カペ・ギリエ、サンテミリオン・グラン・クリュ 2020年)=主なブドウ品種:メルロ、カベルネ・フラン/生産国:フランス/アペラシオン:サンテミリオン・グラン・クリュ/生産者:シャトー・カペ・ギリエ(大会パートナー)/ヴィンテージ:2020年

■ワインNo.9 Tenuta CastelGiocondo (Frescobaldi), Brunello di Montalcino Riserva « Vigneto Ripe al Convento » 2020(テヌータ・カステルジョコンド〈フレスコバルディ〉、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・リゼルヴァ「ヴィニェート・リーペ・アル・コンヴェント」2020年)=主なブドウ品種:サンジョヴェーゼ/生産国:イタリア/アペラシオン:ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・リゼルヴァ/生産者:テヌータ・カステルジョコンド/ヴィンテージ:2020年

■ワインNo.10 Ningxia Cabernet Sauvignon 2020(寧夏 カベルネ・ソーヴィニヨン 2020年)=主なブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニヨン/生産国:中国/産地:寧夏/生産者:主催者発表に記載なし/ヴィンテージ:2020年

■ワインNo.11 Bodegas Juan Gil, Jumilla « 18 Meses » 2022(ボデガス・フアン・ヒル、フミーリャ「18メセス」2022年)=主なブドウ品種:モナストレル、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー/生産国:スペイン/アペラシオン:フミーリャ/生産者:フアン・ヒル/ヴィンテージ:2022年

■ワインNo.12 Blandy's, Sercial 10 Years Old, Madeira(ブランディーズ、セルシアル10年、マデイラ)=主なブドウ品種:セルシアル/生産国:ポルトガル/アペラシオン:マデイラ/生産者:ブランディーズ/ヴィンテージ:表記なし

今大会の総合ランキング

  1. フランス(189点)
  2. 日本(181点)
  3. ブラジル(159点)
  4. ドイツ(155点)
  5. アメリカ(140点)
  6. ルーマニア(139点)
  7. 台湾(130点)
  8. 中国(127点)
  9. スイス(127点)
  10. モナコ(117点)
  11. イタリア(111点)
  12. オーストラリア(110点)
  13. オランダ(110点)
  14. ギリシャ(108点)
  15. スウェーデン(108点)
  16. 北アイルランド(103点)
  17. デンマーク(102点)
  18. マレーシア(102点)
  19. ルクセンブルク(99点)
  20. カザフスタン(97点)
  21. マルタ(96点)
  22. イギリス(95点)
  23. ラトビア(91点)
  24. ケニア(88点)
  25. フィンランド(87点)
  26. トゥルキエ(87点)
  27. カナダ(84点)
  28. スペイン(84点)
  29. ハンガリー(81点)
  30. ポーランド(80点)
  31. ポルトガル(80点)
  32. レバノン(77点)
  33. ベルギー(72点)
  34. ウェールズ(71点)
  35. メキシコ(67点)
  36. アイルランド(66点)
  37. ベラルーシ(62点)
  38. モルドバ(62点)
  39. アルバニア(61点)
  40. オーストリア(55点)
  41. 香港(46点)

日本チームの今後

日本チームの成績は2023年11位、2024年4位と推移しており、今回は初めて表彰台に上った。2024年大会後、当時コーチを務めた石塚秀哉氏は「3位以内」を次の目標に挙げていたが、今回、同じ中核メンバーでこれを上回る結果となった。

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