カリフォルニア州ナパ・ヴァレーの「クインテッサ」が2017年ヴィンテージをリリースした。
クインテッサはオーナーのアグネスティン、ヴァレリア・ヒュネーウス夫妻がラザフォードにある土地を気に入り、1989年に設立。ヒュネーウス氏はチリ最大のワイナリーの一つ「コンチャ・イ・トロ」のCEOを務めていた人物で、夫妻がこの土地で目指したのはボルドーのシャトーのようなワイン造り。「畑」「醸造所」「家族の家」「ホスピタリティセンター」、そして「スピリチュアルな場所」の五つを優れたボルドーシャトーが持つ共通の要素だと考え、“5番目の要素”という意味を持つ「キンタ・エッセンシア」というラテン語からクインテッサというワイナリー名にした。
所有する約56ヘクタールの畑ではカベルネ ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド、マルベックに加え、ヒュネーウス氏の故郷、チリを代表する品種であるカルメネールも栽培している。
2017年は8月上旬までは平均的な気候で、その後とても気温が上がったため、例年より早い9月2週目から収穫が始まった。2017年ヴィンテージはカベルネ・ソーヴィニヨンが主体となる。非常にバランスが取れた芳醇なタンニンがあるがフレッシュなタイプに仕上がった。ブラックチェリーやカシスなどにタイムやセージなどのハーブのようなフレーバーが香る、エレガントなスタイルだ。
ブレンドはボルドーの著名コンサルタントであるミシェル・ロラン氏が担当。26の区画から120~150のワインを造り、それをフレンチオークの小樽で22カ月熟成する間にテイスティングしながらブレンドしていく。
クインテッサはもともとアメリカ国内だけで消費されてきたが、今後はボルドーのネゴシアン(ワイン商)を通して、日本にも流通される予定だ。