イタリア北部のワイン産地、アルト・アディジェ州のワインと料理の相性を探るイベントが「パレスホテル東京 グランド・キッチン」の瀧田昌孝氏をナビゲータに迎え、開催された。

アルト・アディジェはイタリア最北部の州。アルプス地帯にあり、オーストリア(一部スイス)と国境を接し、州内をドロミテ山脈が走っている。南北に42キロ続くワイン産地だ。川沿いの丘陵地帯にブドウが植えられており、アルプスからの冷たい風と地中海からの暖かい風が混じる「ワインを造るに良いところ取りをしたような気候」(瀧田氏)だという。

画像: photographs by Tiberio Sorvillo

photographs by Tiberio Sorvillo

「約5000ヘクタール、世田谷区ほどのこの小さなエリアでは、5000のブドウ栽培者を抱えており、大規模な生産者共同組合12、32 のプライベートワイナリー、116の独立系生産者がワインを造っています」

画像1: イタリア北部の銘醸地アルト・アディジェのセミナーを開催
豊潤な白ワインと土着品種を使用した個性溢れる赤ワイン

このエリアではさまざまな側面をもつテロワールにより、約20近い品種が植えられている。主な品種は、白はシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・グリ、ピノ・ブランなどの国際品種をはじめ、赤はスキアーヴァ、ラグラインなど。赤ワインの産地として有名だったが、最近では白ワインの産地として知られてきている。瀧田氏によると「私が現地を訪問した際に、ピノ・ブランに愛着を持つ生産者が多かった印象があります」

画像2: イタリア北部の銘醸地アルト・アディジェのセミナーを開催
豊潤な白ワインと土着品種を使用した個性溢れる赤ワイン

供されたワインは次の通り。(写真左から)

①『カンティーナ ヴァッレ イサルコ 2018年』
品種:シルヴァーナ100%
生産者:ヴァッレ・イサルコ
リンゴのミツやオレンジのトーン。果実味と余韻の酸が心地いい。

②『ファルケン・シュタイン リースリング 2019年』
品種:リースリング100%
生産者:ファルケン・シュタイン
黄桃や花、白コショウのニュアンス。ボリュームのある果実味とみずみずしい酸。

③『トラミン ゲヴュルツトラミネール 2021年』
品種:ゲヴュルツトラミネール
生産者:トラミン
モモやライチのようなアロマティックな香り。ピュアで生き生きした酸が楽しめる。

④『ナルス マルグライド シルミアン ピノ・ビアンコ 2019年』
品種:ピノ・ビアンコ
リンゴや柑橘の果実、熟したパイナップルの豊かなアロマ。それでいて飲み口は軽やか。

⑤『フィッチェル ピノ・ネロ リゼルヴァ マタン 2017年』
品種:ピノ・ネロ100%
生産者:フィッチェル
やさしい赤系果実の香り。口当たりは柔らかくエレガントなスタイル。

⑥『コーネル ソーヴィニヨン・ブラン “オベアベルク” 2019年』
香り高く、しっかりした味わい。塩味を伴うミネラル感も特徴。
品種:ソーヴィニヨン・ブラン100%
生産者:コーネル

⑦『ムリ・グリ ラグレイン・リゼルヴァ “アブタイ・ムリ” 2012年』
品種:ラグレイン100%
生産者:ムリ・グリ
ブラックベリーやスミレの柔らかな香りに、スパイスのタッチも。

料理は素晴らしいマリアージュを享受できるようさまざまな工夫があった。

例えば①『カンティーナ ヴァッレ・イサルコ』と「国産ズワイ蟹と根セロリのレムラード」の組み合わせ。ワインとズワイ蟹にミネラルという共通点もあるが、ポイントは添えられた青リンゴのソース。ワインにあるミツのような香り高さと、青リンゴのさわやかな味わいがマッチした。

画像3: イタリア北部の銘醸地アルト・アディジェのセミナーを開催
豊潤な白ワインと土着品種を使用した個性溢れる赤ワイン

メインの「香川産オリーブ豚ロース肉のプランチャ 粒胡椒&バルサミコソース」にはソースによって2種類のワインを合わせた。オレンジのソースには、⑥『コーネル ソーヴィニヨン・ブラン “オベアベルク”』を合わせ、ワインの柑橘にフォーカスした。バルサミコソースには⑦『ムリ・グリ ラグレイン・リゼルヴァ “アブタイ・ムリ”』。ソースのスパイス感をワインにマッチさせる趣向を凝らしたマリアージュ。

画像4: イタリア北部の銘醸地アルト・アディジェのセミナーを開催
豊潤な白ワインと土着品種を使用した個性溢れる赤ワイン

今回は「ワインに集中してほしい」という思いのもと、ワインはすべてブラインド・テイスティングで提供された。料理との合わせ方も素材、付け合わせ、ソースなど細部までこだわり、まさに“ベストマッチング”を目指した料理とワインを楽しんだ。

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