「蜂蜜」は、気候変動に最も敏感な益虫ミツバチが集めた花の蜜!
蜂たちの健康状態や習性、季節や場所によって蜂蜜の風味は微妙に異なる。ミード(蜂蜜酒)は、蜂蜜に水と酵母菌を加え、発酵させて造る醸造酒で、その歴史は、*1ワインやビールより古く、14000年以上前に人類が出会った「最古の酒」と言われている。
*1出典:ミード協会公式サイト
世界のミード界で高評価
米国ペンシルベニア州出身の養蜂家兼醸造家エリック・ボシック氏は、2017年に日本でミードを製造・販売する専門会社「ウィキッド ウェイ ミード」を立ち上げ、良質な原料と環境にこだわった日本産蜂蜜によるミード造りをしている。完成までに平均して6カ月程度、そこに瓶熟期間が加わる。日本では桜、山藤、菜の花、野バラ、ミカン等、春から秋までの間に、さまざまな蜂蜜ができる。
2021年に米国で開かれたミード専門の国際コンクール『メイザー・カップ』のプロフェッショナル部門で『リング・オブ・ファイア』が日本初の金賞を受賞。さらに、ポーランドで開催された欧州最大級の世界ミードコンクール『ミード・マッドネス・カップ 2024』のポシェ部門では『リング・オブ・ファイア ブラック・ラベル』が金賞を受賞、世界のミード界で高い評価を得ている。
5月に発売された『セレニティー』は、ボシック氏が、希少な京都産山藤を蜜源としたシングルオリジンハニー、フランス南部モンペリエの白ワイン用酵母、純度の高い水を使い、テロワールを生かして完成させたシングルオリジンのミードである。
米国では醸造所が20年間で10倍に
日本ではまだ知名度が低いミードだが、世界的には、2010年代から、ドラマに登場する頻度が増え、ミツバチとSDGsとの関係もあって、注目度が高まった。特に、米国では2003年に60カ所だった醸造所が、2023年には600カ所となり、20年間で10倍増になっている。“古くて新しい飲料ミード”は、世界でホットな話題を提供している。
日本固有のテロワールを生かしたミード造りに励むボシック氏が、今、最も楽しみにしていることがある。それは、長野県安曇野市に完成予定の醸造所である。水が綺麗な新拠点で、より厳選されたミードの登場に期待が高まる。2024年の販売見込みは20万本。
photographs and text by Fumiko AOKI
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