2023年ボルドー・プリムール リポート「2023年は、希望と懸念が交錯するミレジム」

1） 冬の気候が平年並みだったため、芽吹きが遅く、春の霜害を回避できた。
2） 開花は非常に迅速かつ均一に良好な条件下で進み、豊かな収穫が期待された。
3） 春の間、高温と降雨が交互に訪れたことでベト病が発生した。被害は一様ではなかったが、特にメルロの区画では甚大な被害が出たところもあった。このことが収穫時の収量の大きな差につながった。
4）結実期に水ストレスがなかったため、ベト病の脅威が続く中、ブドウの植物的成長が促進された。
5） 7月は全体的に暑く乾燥していたものの、日照不足に悩まされた。ヴェレゾン（色付き）は7月中旬直後に急速に始まり、その後ほぼ1カ月間続いた。
6）8月初めにさらなる雷雨に見舞われた後、8月中旬に天候が一変し、月末には熱波が押し寄せた。ブドウの成熟は乾燥し極端に暑い条件下で始まった。
7）9月は再び好天となり、健全で熟した十分な量のブドウを得るのに適した天候となった。メルロの収穫は9月上旬に始まり、カベルネの収穫は天候悪化を恐れてやや慌ただしく行われた。
8）収穫時、果実はやや大粒で、糖度は2022年より低く、酸味は良好で、フェノール類のポテンシャルが高いものもあった。
9）主に8月下旬以降に収穫された白ブドウは完璧に熟し、健全で香り高く、非常にバランスの良いものになった。
10）ソーテルヌ地区では、9月中旬からの降雨により、熟した健全なブドウにボトリティス・シネレアが広範囲で発生した。さらに、月末に素晴らしい天気が急速に戻り、非常に暑く乾燥した条件下で濃縮が加速した。甘口ワイン用の収穫は2週間で行われ、果汁は豊かな酸味を伴い注目に値する素晴らしいものだった。