1929年の世界恐慌は全世界に衝撃を与えた。シャンパーニュの大手メゾンにブドウを供給していた「トリボー・シュロッサー」は、それを機に家族経営のメゾン創業を決断し、今に至る。日本上陸は11年前だが、これまで秘密のベールに覆われていた。このほど来日したエクスポートディレクターのローラン・デュメニル氏が“日本におけるお披露目元年”との思いを込めてメゾンについて語った。

ルクセンブルク出身のルネ・シュロッサーがルーツのシャンパーニュメゾン「トリボー・シュロッサー」は、現在4代目が継承。兄のセバスチャンは醸造、弟のヴァランタンは栽培を担当する。彼らの手法はバリック樽、フードル樽、ステンレスタンクを組み合わせた醸造・熟成技術の知的なブレンドで、ドザージュも少なめ。小規模メゾンならではの丁寧さを感じさせる味わいが特徴だ。

画像: エクスポートディレクターのローラン・デュメニル氏。15年前に3代目当主ジャン・マリー氏から要請を受け、メゾンに参画。「生まれも育ちもランスで、住まいもあるが、南の明るさを好む性分なので拠点はイタリア。フランスのシャンパーニュとイタリアのトスカーナを往来しつつ、トリボーの伝導に励んでいる」とデュメニル氏

エクスポートディレクターのローラン・デュメニル氏。15年前に3代目当主ジャン・マリー氏から要請を受け、メゾンに参画。「生まれも育ちもランスで、住まいもあるが、南の明るさを好む性分なので拠点はイタリア。フランスのシャンパーニュとイタリアのトスカーナを往来しつつ、トリボーの伝導に励んでいる」とデュメニル氏

生産しているシャンパーニュのレンジは3つ。「8テロワール」は4つの自社畑と4つの契約畑のブドウを使用。「ブリュネ・ヴァレー」は自社畑100パーセントですべてオーガニック。「プレステージ」はメゾンの歴史を反映させたタイプだ。

年間生産量35万本。このうち70パーセントを世界40カ国に輸出している。1位カナダ、2位米国、3~5位はイタリア、オランダ、ベルギーが年によって変動し、日本はおおむね6位で数量は約3万本。

画像: 『オリジン・ブリュット』 「8テロワールレンジ」。ピノ・ノワール20%、シャルドネ30%、ムニエ50%。フードル樽で熟成させたリザーヴワインを20~25%使用、熟成2年、ドザージュ8g/ℓ。明るいゴールド色、核の大きな果実、ヴァニラ、ミネラル。中盤以降、若干ビター、フルーティーで軽快 『ブラン・ド・シャルドネ』 「ブリュネ・ヴァレーレンジ」。ブラン・ド・ブランではなく、シャルドネ100%を強調したブラン・ド・シャルドネ表記。ロムリー、フルーリ・ラ・リヴィエール、コルモワイユの自社畑のブドウ。バリック樽とフードル樽で熟成させたリザーヴワインを30%使用することで、味わいに複雑さを加味。熟成3年、ドザージュ4g/ℓ。淡いイエローの色調、レモンや柑橘、スモモやアカシアの香り。ドライな食感、旨味 『ブラン・ド・ノワール ブリュット・ナチュール』 「ブリュネ・ヴァレーレンジ」。ロムリー&ダムリーのムニエとピノ・ノワールを各50%使用。熟成約3年、ノン・ドゼ。フレッシュでさわやか、ヴァニラやハーブ、果実の凝縮感。ソムリエからの人気が高いアイテム 『キュヴェ ルネ』 「プレステージレンジ」。創始者の名を冠したオマージュシャンパーニュ。シャルドネ70%はロムリーの“クレイエール”、ピノ・ノワール30%はエキュイエの“クロサール”、ともに単一畑のブドウ。バリック樽とフードル樽で熟成させたリザーヴワインを50%ブレンド、ベースシャンパーニュは2012年と13年の2ヴィンテージ。家族全員が参加して造り上げるトリボー・シュロッサーのDNAが詰まったアイテム。熟成5年、ドザージュ5g/ℓ。深みのあるゴールド色、和柑橘、アプリコット、シナモン、重心の高い酸味、きめ細かくエレガント 『ブリュット・ミレジメ 2015年』 「8テロワールレンジ」。 ピノ・ノワール50%、シャルドネ50%、ステンレスタンク発酵、ベースワインの20%はバリック樽とフードル樽で熟成。熟成6~7年、ドザージュ6g/ℓ、明るいゴールドの色調、ビスケット、アーモンド、ミネラル、カカオ、焙煎香、若干ビター。気泡はワインに溶け込み口中滑らか 『オーセンティック 2010年』 「プレステージレンジ」。アイのピノ・ノワール80%と自社畑ロムリーのシャルドネ20%を使用。樽発酵・樽熟成、熟成8年、ドザージュ4g/ℓ、生産本数5637本。深いゴールド、マンゴー、ブリオッシュ、クリームブリュレ、白コショウ、厚みのある余韻 『ブリュット・ロゼ』 「8テロワールレンジ」。ピノ・ノワール20%、シャルドネ30%、ムニエ50%。ピノ・ノワールとムニエの赤ワインを8~12%ブレンド。熟成2年、ドザージュ8g/ℓ。淡いサーモンピンク色、ラズベリーやチェリー、おしろい花、酸味は程よく、柑橘系果実のニュアンス、口当たりは滑らか、好感度の高いロゼ

『オリジン・ブリュット』 
「8テロワールレンジ」。ピノ・ノワール20%、シャルドネ30%、ムニエ50%。フードル樽で熟成させたリザーヴワインを20~25%使用、熟成2年、ドザージュ8g/ℓ。明るいゴールド色、核の大きな果実、ヴァニラ、ミネラル。中盤以降、若干ビター、フルーティーで軽快
『ブラン・ド・シャルドネ』
「ブリュネ・ヴァレーレンジ」。ブラン・ド・ブランではなく、シャルドネ100%を強調したブラン・ド・シャルドネ表記。ロムリー、フルーリ・ラ・リヴィエール、コルモワイユの自社畑のブドウ。バリック樽とフードル樽で熟成させたリザーヴワインを30%使用することで、味わいに複雑さを加味。熟成3年、ドザージュ4g/ℓ。淡いイエローの色調、レモンや柑橘、スモモやアカシアの香り。ドライな食感、旨味
『ブラン・ド・ノワール ブリュット・ナチュール』
「ブリュネ・ヴァレーレンジ」。ロムリー&ダムリーのムニエとピノ・ノワールを各50%使用。熟成約3年、ノン・ドゼ。フレッシュでさわやか、ヴァニラやハーブ、果実の凝縮感。ソムリエからの人気が高いアイテム
『キュヴェ ルネ』
「プレステージレンジ」。創始者の名を冠したオマージュシャンパーニュ。シャルドネ70%はロムリーの“クレイエール”、ピノ・ノワール30%はエキュイエの“クロサール”、ともに単一畑のブドウ。バリック樽とフードル樽で熟成させたリザーヴワインを50%ブレンド、ベースシャンパーニュは2012年と13年の2ヴィンテージ。家族全員が参加して造り上げるトリボー・シュロッサーのDNAが詰まったアイテム。熟成5年、ドザージュ5g/ℓ。深みのあるゴールド色、和柑橘、アプリコット、シナモン、重心の高い酸味、きめ細かくエレガント
『ブリュット・ミレジメ 2015年』
「8テロワールレンジ」。 ピノ・ノワール50%、シャルドネ50%、ステンレスタンク発酵、ベースワインの20%はバリック樽とフードル樽で熟成。熟成6~7年、ドザージュ6g/ℓ、明るいゴールドの色調、ビスケット、アーモンド、ミネラル、カカオ、焙煎香、若干ビター。気泡はワインに溶け込み口中滑らか
『オーセンティック 2010年』 
「プレステージレンジ」。アイのピノ・ノワール80%と自社畑ロムリーのシャルドネ20%を使用。樽発酵・樽熟成、熟成8年、ドザージュ4g/ℓ、生産本数5637本。深いゴールド、マンゴー、ブリオッシュ、クリームブリュレ、白コショウ、厚みのある余韻
『ブリュット・ロゼ』
「8テロワールレンジ」。ピノ・ノワール20%、シャルドネ30%、ムニエ50%。ピノ・ノワールとムニエの赤ワインを8~12%ブレンド。熟成2年、ドザージュ8g/ℓ。淡いサーモンピンク色、ラズベリーやチェリー、おしろい花、酸味は程よく、柑橘系果実のニュアンス、口当たりは滑らか、好感度の高いロゼ

画像: 「トリボー・シュロッサー」はブリュネ渓谷沿いにあるダムリー、フルール・ラ・リヴィエール、コルモワイユ&ロムリーに約25ヘクタールの自社畑(●印)を所有。長期契約のブドウ栽培農家15ヘクタールと合わせて40ヘクタール分をまかなっている。2023年に有機農業の認証を取得

「トリボー・シュロッサー」はブリュネ渓谷沿いにあるダムリー、フルール・ラ・リヴィエール、コルモワイユ&ロムリーに約25ヘクタールの自社畑(印)を所有。長期契約のブドウ栽培農家15ヘクタールと合わせて40ヘクタール分をまかなっている。2023年に有機農業の認証を取得

日本の輸入取り扱い元はキャビアやトリュフ、イベリコ豚などの輸入・販売および国産食材を専門にしており、唯一取り扱っているシャンパーニュがトリボー・シュロッサーだ。取引先はレストランが主体のため、ワインショップの棚に並ぶことはほとんどなかった。秘密のベールの謎はここにあった。
今回、トリボー・シュロッサーのラインナップがあらためて披露され、そのこだわりのクオリティーが証明された。

画像: ブラン・ド・シャルドネ × 天草の真鯛と北海道産ホタテのカルパッチョ 視覚的に涼風を感じさせる品格のある組み合わせ。透けるような真鯛やホタテの白身と、ミネラル感とヨード感に満ちたシャルドネの相性が素晴らしい。ブリッジ食材のオイルも上質感があり好印象

ブラン・ド・シャルドネ × 天草の真鯛と北海道産ホタテのカルパッチョ
視覚的に涼風を感じさせる品格のある組み合わせ。透けるような真鯛やホタテの白身と、ミネラル感とヨード感に満ちたシャルドネの相性が素晴らしい。ブリッジ食材のオイルも上質感があり好印象

画像: オーセンティック 2010年 × イベリコ豚の黒コショウ焼き 発酵も熟成も樽100%、黒ブドウ主体の重厚感と相まったスタイルなので、肉質がソフトながら脂分をまとったイベリコ豚とは実力伯仲の組み合わせ

オーセンティック 2010年 × イベリコ豚の黒コショウ焼き
発酵も熟成も樽100%、黒ブドウ主体の重厚感と相まったスタイルなので、肉質がソフトながら脂分をまとったイベリコ豚とは実力伯仲の組み合わせ

画像: ブリュット・ロゼ × 和三盆のプリン 視覚&味覚ともに完璧。ロゼのソフトな酸味と和三盆の上品な甘味のバランスが絶妙で、後ろ髪引かれたマリアージュ

ブリュット・ロゼ × 和三盆のプリン
視覚&味覚ともに完璧。ロゼのソフトな酸味と和三盆の上品な甘味のバランスが絶妙で、後ろ髪引かれたマリアージュ

画像: ファミリーのDNAを反映させたスペシャルアイテム ミシェル・ベタンヌ氏は『キュヴェ ルネ』について「ロムリーのチョーク質の驚くべきシャルドネが主体で、その50%は木樽で熟成されている。偉大なテロワールと60カ月の忍耐強い瓶熟成のみが可能にするブリオッシュ香が特徴。最高のプレステージワインに匹敵」とコメント。芯のある酸味が家族のDNAを物語っている希少シャンパーニュ。一飲の価値あり

ファミリーのDNAを反映させたスペシャルアイテム
ミシェル・ベタンヌ氏は『キュヴェ ルネ』について「ロムリーのチョーク質の驚くべきシャルドネが主体で、その50%は木樽で熟成されている。偉大なテロワールと60カ月の忍耐強い瓶熟成のみが可能にするブリオッシュ香が特徴。最高のプレステージワインに匹敵」とコメント。芯のある酸味が家族のDNAを物語っている希少シャンパーニュ。一飲の価値あり

text & photographs by Fumiko AOKI

【問い合わせ先】
株式会社マック・フーズ 電話03-5665-2941

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