ブリアン社長は、シャンパーニュ愛好家へのあいさつとして「日本はシャンパーニュにとって、とても重要な市場になっています。国分グループ本社とはパートナーシップを締結してから15年経過しており、全体の4分の1の時間を共有してきました。ジャカールは若いメゾンですが、われわれはそれを利点に、新たな歩みを進めていきたい」と述べた。
ジャカールはブドウ栽培農家が団結・結成した協同組合が母体のメゾンである。組合員数は優に1000人を超え、栽培面積は300ヘクタール。モザイク状に広がる区画から収穫されたブドウを自在に使い、ジャカールならではのスタイルを造り出している。
ウェルカムシャンパーニュはメゾンの顔となる『モザイク・ブリュット NV』。マグナムボトルでサービスされた。シャルドネ約40パーセント、ピノ・ノワール約35パーセント、ムニエ約25パーセントのブレンドで、リザーヴワイン(貯蔵してある良作年の原酒)の割合は25~35パーセント、ドザージュは9g/L。青リンゴやストーンフルーツの果実感があり、口当たりはスムースで、アフターの軽い苦味がアクセントになって大容量ならではのフレッシュさが余韻を引き立てていた。料理に合わせて『モザイク・ロゼ』『モザイク・シグネチャー 瓶内熟成5年 NV』『ブラン・ド・ブラン 2015年』、最後に甘口の『モザイク・ドゥミ・セック NV』が供された。
『モザイク・ロゼ NV』×「水牛のモッツァレラチーズとフルーツトマトのカプレーゼサラダ 生ハム添え」
『モザイク・ロゼ NV』は、シャルドネ約33パーセント、ピノ・ノワール約44パーセント(赤ワイン16パーセントのブレンドを含む)、ムニエ約23パーセントのブレンドで、リザーヴワインの割合は25~35パーセント、ドザージュは9g/L。フレッシュ&フルーティーがコンセプトだ。色調はオレンジ色を含むサーモンピンクで、果実主体のアロマ、さわやかな口当たりが特徴。トマトとミルク感溢れるモッツァレラチーズと野菜類に添えた生ハムの塩味がワインとの架け橋となり、素直に美味しいマリアージュだった。
『モザイク・シグネチャー 瓶内熟成5年 NV』×「健味鶏の白ワインラグー スパゲッティーニ パルミジャーノ風味」
『モザイク・シグネチャー 瓶内熟成5年 NV』は、シャルドネ約40パーセント、ピノ・ノワール約35パーセント、ムニエ約25パーセントのブレンドで、リザーヴワインの割合は25~35パーセント、ドザージュは7g/L。ベースヴィンテージは2019年。5年間の熟成を経てリリースされた。熟れた果実、ヘーゼルナッツ、スパイスなど、多様な要素がラグーソースの旨味と相乗し、パルミジャーノのカツオ節香とシャンパーニュの熟成香にも共通したニュアンスを感じた。
『ブラン・ド・ブラン 2015年』
『ブラン・ド・ブラン 2015年』は、シャルドネ100パーセントでグラン・クリュ(特級畑)とプルミエ・クリュ(1級畑)のブドウだけを使用。ドザージュは7g/L。ジャカールはシャルドネ重視のメゾンであることを強調している。このブラン・ド・ブラン(*)のコンセプトは「ノーブル&ミネラル」。グレープフルーツやマンダリンオレンジのような柑橘類、和柑橘類の要素もあり、中盤以降、酸味やミネラルの広がりも秀逸で、ジャカールの変化を感じさせてくれたアイテムだった。
*白ブドウだけを使って造られるシャンパーニュ
『モザイク・ドゥミ・セック NV』×「彩りフルーツのマチェドニア 洋梨とドゥミ・セックのソルベ添え」
『モザイク・ドゥミ・セック NV』は、シャルドネ約40パーセント、ピノ・ノワール約35パーセント、ムニエ約25パーセントのブレンドで、リザーヴワインの割合は25~35%、ドザージュは37g/L。果実感溢れるシャンパーニュに合わせたのはフルーツたっぷりのデザート。ドゥミ・セックを用いたシャーベットは甘露な味わいが広がる。ドザージュ37グラムは甘すぎず、程よいバランスに癒やされた。
弁護士でワイン評論家でもあった故・山本博氏は『シャンパンのすべて』(河出書房新社)の中で「ジャカールのシャンパンは若く、はつらつとした素直なハイティーンといった感じで、飲んでいればこちらの気持ちも若くなる」というフレーズを遺した。美味しいだけでなく、気持ちの若返りもあるのなら、最高だ!
近年、ジャカールはSNSやインフルエンサーとのコラボレーションにも積極的で、若さを武器にしながら“気軽にラグジュアリーを楽しむシャンパーニュスタイル”を打ち出している。歳月を重ねても“A Young House”の精神は、不滅である。
text & photographs by Fumiko AOKI
商品の問い合わせ先:国分グループ本社㈱ TEL. 03-3276-4125(代表)