ボルドーワイン委員会は「THE BORDEAUX EXPERIENCE」で石田博氏による「ボルドー赤ワイン新潮流」を題材にマスターセミナーを行った。

セミナーの冒頭で石田氏はブドウ品種について「カベルネ・ソーヴィニョン、カベルネ・フラン、マルベック、プティヴェルドなど、国際品種と呼ばれる品種の原産地はボルドーだということを認識していただきたい。生産者としても、醸造学の権威としても広く知られるドゥニ・デュブルデュー氏は、ボルドーでこそ真価を発揮する品種だと話していた」と語った。

画像: レストラン ローブのソムリエを務める石田博氏

レストラン ローブのソムリエを務める石田博氏

近年のワイン市場について「特に、ロゼワインとスパークリングワインは世界的に非常に需要が高い。これは、醸造におけるリスク回避が一因となっている」とし、それについて「スパークリングワインに使用されるブドウは早い段階で収穫することができ、黒ブドウの最適な収穫期を待つことができる。また、成熟度や色付きが思わしくない場合にはロゼワインやスパークリングワインの生産に使用できるメリットもある」と話した。

石田氏によればボルドーがどのような生産地域か一言で表すと「世界で最も恵まれた環境にある生産地域」だという。その理由に、生産地域としてワイナリー、シャトー、醸造技術といったものが先進的にはぐくまれた歴史がある点と、ブドウの成熟期を長く保てる海洋性気候である点を挙げた。

今回のセミナーでテイスティングしたワインは『シャトー・デュ・ロール 2021年』と『カベルネ・フラン シャトー・ドワヤック 2023年』の2アイテム。

画像: 『シャトー・デュ・ロール 2021年』(左)、『カベルネ・フラン シャトー・ドワヤック 2023年』

『シャトー・デュ・ロール 2021年』(左)、『カベルネ・フラン シャトー・ドワヤック 2023年』

石田氏はシャトー・デュ・ロール 2021年について「色合いは鮮やかながらも縁には少しグラデーションが見えてきて、香りが開き始めている印象。非常にフレッシュでクリーンな点が大きな特徴だと思っている。小粒な黒いベリー系のフルーツの香り、そこにしびれのような印象とコショウの香りもある。前面にはフルーティーな印象がはっきりと出ている」とコメント。

カベルネ・フラン シャトー・ドワヤック2023年のコメントでは「フルーツのフレーバーがピュアに感じられる。ジューシーさ、生き生きとした味わいを楽しめる舌触りの良いワインに仕上がっている。赤系のラズベリーのような綺麗な印象があり、そこにボタンのような赤い花の香りが感じられ、全体的に赤いものをイメージさせる香りが出てきている。タンニンの量もしっかり感じられ、カベルネ・フランの真骨頂ともいえるきめ細かさがある」とした。

最後に「ボルドーは変化を恐れずに新しいことを常にリードしている。高級シャトーというイメージがあるが、実際には数千ものシャトーがあり、その多くは価格的にも抑えめで飲み心地の良いものが非常に多い。1990年代のイメージからぜひ、更新していただきたい」と締めくくった。

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