「想いをつなぐ日本ワイン」をコンセプトに、北海道、長野県などで収穫されたブドウを岡山県で醸造するプレミアムワイン「グランポレール」。その自社畑「安曇野池田ヴィンヤード」を「レカングループ」ソムリエの近藤佑哉氏が訪れ、代表的なキュヴェを試飲した。

石原大輔氏 「グランポレール 安曇野池田ヴィンヤード」栽培責任者(左)、
近藤佑哉氏「レカングループ」CBO(チーフ・ブランディング・オフィサー)兼ビバレッジディレクター
「この畑は砂質土壌で石が非常に多く、2009年に開園した当初は石拾いに明け暮れていました。水はけの良さからブドウは粒が小さく、粒同士が密集しないバラ房の状態になり、凝縮感のある果実が得られるのです」と話すのは「グランポレール 安曇野池田ヴィンヤード」の栽培責任者、石原大輔氏。その言葉の通り、畑の随所には数多くの石が転がっている。

左から
『安曇野池田カベルネ・ソーヴィニヨン 2021年』
品種:カベルネ・ソーヴィニヨン100%
価格:オープン(税込参考価格7300円)
黒系果実に、ローズマリーやタイム、八角などチャイニーズスパイス、さらにヴァニラやビターカカオの香りが重なり、複雑なアロマを奏でる。しなやかでエレガントな味わいなので、醤油や出汁を使った和食も合う。
『安曇野池田ソーヴィニヨン・ブラン〈 薫るヴェール〉 2023年』
品種:ソーヴィニヨン・ブラン100% 価格:オープン(税込参考価格7300円)
フレッシュでみずみずしく、質の高い酸。しなやかで滑らかなテクスチャーに、上品な果実味がゆっくりと舌に溶け込んでいく。レモンバーベナやエルダーフラワーなど華やかな香りが次々と立ち上り、まさに“薫るヴェール”。
標高560~630メートルに位置する安曇野池田ヴィンヤード。畑越しには有明山をはじめとする北アルプスが広がる。ここから生まれるトップキュヴェの一つが『安曇野池田ソーヴィニヨン・ブラン 〈薫るヴェール〉2023年』だ。
「ソーヴィニヨン・ブランは、もともと厚みのある味わいが評価されてきました。そこに加えて香りの魅力も最大限に引き出したいと、栽培や醸造の面でさまざまな取り組み
を行ってきました」
芽かきをほかの品種よりも多く行う、ボルドー液を使わない、チオールのピークを見極めて収穫する。そうした試みにより、21年から香りが飛躍的に高まったという。テイスティングをした近藤佑哉氏は「甘いメロンやパイナップルといったこの品種らしい香りに加え、和の柑橘類のようなニュアンスもあってアロマティック。品質の高さとともにテロワールの独自性も感じられますね」と語る。
また、この石の多い水はけの良い土壌は、カベルネ・ソーヴィニヨンにも適している。『安曇野池田カベルネ・ソーヴィニヨン 2021年』はこの地ならではの成熟したブドウを生かした1本。
「カベルネ・ソーヴィニヨンは酸が力強い印象ですが、このワインはヴェールのような滑らかさ」と近藤氏が話すように、夜間の冷涼な気温に由来するきれいな酸が特徴だ。
「いずれのワインも妖艶で、ブドウがゆっくりと成熟したのがわかります。畑で見た小粒のブドウのイメージがそのままボトルの中に詰まっていて、ピュアな造りであることが伝わってきました」(近藤氏)

「グランポレール 安曇野池田ヴィンヤード」
長野県北安曇郡池田町
※問い合わせは、サッポロビール ㈱0120-207-800(お客様センター)
見学不可

