日に日に秋も深まる11月の第三木曜日にあたる21日、今年もボジョレー・ヌーヴォー解禁日がやってきます。お祭り気分でみんなでワイワイも楽しいけれど、せっかくなら、ちょっとした予備知識があればボジョレー・ヌーヴォーはもっと楽しい! 今回は「銀座レカン」ソムリエの近藤佑哉氏に、ワインの選び方から、家庭料理との合わせ方、プロならではの「なるほど納得!」な隠れワザまで、2019年流ボジョレー・ヌーヴォーの楽しみ方を教えていただきました。

ボジョレー・ヌーヴォー解禁は、200年前からお祭りだった!?

 ボジョレー・ヌーヴォーとは、フランス・ブルゴーニュ地方のボジョレー地区で、ガメイという黒ブドウ品種で造る赤ワインの新酒のことだ。

「ボジョレー・ヌーヴォーはその年のブドウの豊作に感謝する収穫祭が起原と言われています。ブルゴーニュ地方のワインのパリへの流通経路は1600年代に確立され、1800年代にはパリではすでに『ボジョレー・ヌーヴォー解禁』というチラシが出回っていたようです」

 なるほど、1980年代のバブル期の時代の象徴として今も語られる日本のボジョレー・ヌーヴォーのお祭り騒ぎも、歴史をさかのぼれば、これ納得! ハロウィンもクリスマスも異国の文化を柔軟に受け入れてきたわれわれ日本人。ボジョレー・ヌーヴォー輸入量の半分近くを占め世界堂々第一位の日本は、新酒を祝う異国フランスの伝統文化をも自国の風物詩としてきたというわけだ。

「それと同時に、ボジョレー・ヌーヴォーはその年のワインの出来を確認するための行事でもあったのです」と近藤氏は言う。収穫からわずか約2カ月という短い期間でワインになるボジョレー・ヌーヴォー。商品化まで時間がかかるピノ・ノワールを使ったブルゴーニュ・ワインのその年の出来を占う意味でも、ワインのプロフェッショナルたちも、毎年定点観測のようにボジョレー・ヌーヴォーのチェックが欠かせないのだという。

画像: ボジョレー・ヌーヴォーとともに、白ワインの新酒「マコン・ヴィラージュ・ヌーヴォー」が一緒に店頭に並ぶことも多い

ボジョレー・ヌーヴォーとともに、白ワインの新酒「マコン・ヴィラージュ・ヌーヴォー」が一緒に店頭に並ぶことも多い

フレッシュ&フルーティーな味わいは,冷前菜や家庭の食卓にピッタリ!

 ピノ・ノワールに比べ、タンニンや渋味が穏やかで、フレッシュさや果実味が生きるガメイを使ったチャーミングな味わいのボジョレー・ヌーヴォー。合わせる料理もレストランのように気合いの入ったものでなくても十分に楽しめるのがうれしい。

マグロのお刺身を醤油で召し上がっていただくと、マグロの鉄分や醤油のコクや旨味と最高の相性です。鶏つくねの照り焼きや、ハヤシライスやビーフシチューともいいでしょう。仕上げにボジョレー・ヌーヴォーを少量加えていただくと、風味が同調して味わいに一体感が生まれます。中華なら酢豚など酸味の効いた料理と。西洋料理なら、マグロのカルパッチョやカツレツ、トマトを使ったリゾットなどもいいでしょう」

 通常、赤ワインは16℃くらいが飲みごろ温度と言われているが、ボジョレー・ヌーヴォーの場合は冷蔵庫でいったん冷やして、室内に取り出したら10〜15分くらい抜栓した状態で放置。10〜13℃くらいのちょっと冷やしめの温度で味わうと、よりフレッシュ感が楽しめるそうだ。

画像: 甘辛いタレが、フルーティーなボジョレ―・ヌーヴォーと抜群の相性!

甘辛いタレが、フルーティーなボジョレ―・ヌーヴォーと抜群の相性!

ワイン選びに迷ったら“ふところ事情に合わせて選ぶ”が正解!

 近年はスーパーやコンビニでもたくさんの種類のボジョレー・ヌーヴォーが並ぶ時代となったが、実際店頭では何を基準に選んだら良いのだろうか?

「短期間に収穫から醸造、瓶詰めまでを行うボジョレー・ヌーヴォーは一般的に言って、値段によるクオリティの振れ幅はそれほど大きくはありません。ですから、ぜひ予算に見合うものを選んでください」

 1000円以下のものから3000円を超えるものまで価格帯はさまざまだが、一つの目安として、2000円以上のボジョレー・ヌーヴォーはレストランで味わうクラスのものだと言えるそうだ。

 2001年以降は、日本へのワイン文化の浸透とともに消費者のワインの選択肢も増え、04年をピークにボジョレー・ヌーヴォーの日本への輸入数量は減少傾向にある。だが、ワイン好きの人はもちろん、ふだんあまりワインを口にする機会の少ない人にとっても、11月21日はワインに触れるちょうどいいチャンス!

「われわれソムリエがよくやるのは、同じボジョレー・ヌーヴォーを2本買って、1本は解禁日に、もう1本は来年の解禁日までとっておいて、年による違いや熟成のポテンシャルを確かめてみるのです」。そんなプロの裏技があったとは!

 2019年のブルゴーニュ地方は、春先の霜、7月、8月の雹と、ブドウ栽培にとってはなかなかに難しい年だった模様。ブドウの収量も減少傾向にある。

「だからこそ、造り手がどう仕上げてくるかが腕の見せどころ。私も今から楽しみです!」

 とにもかくにも、ボジョレー・ヌーヴォーはまずは手軽に手にして、新酒の季節を皆で祝い、ワインを囲んだ食卓の時間をカジュアルに楽しむもの。さあ、解禁まであと約2週間! 乾杯の準備はいいですか?

※解禁日の11月21日、近藤佑哉氏が届いたばかりのボジョレー・ヌーヴォーをいち早くテイスティング。同日アップ予定の記事も請うご期待!

画像: 近藤佑哉氏 「銀座レカン」ソムリエ。18年にインターナショナルASIソムリエ取得、日本ソムリエ協会「JSAソムリエ・スカラシップ」優秀賞に。19年「ポメリー・ソムリエコンクール」「第3回ボルドー&ボルドー・シュペリュール ソムリエコンクール」受賞

近藤佑哉氏 
「銀座レカン」ソムリエ。18年にインターナショナルASIソムリエ取得、日本ソムリエ協会「JSAソムリエ・スカラシップ」優秀賞に。19年「ポメリー・ソムリエコンクール」「第3回ボルドー&ボルドー・シュペリュール ソムリエコンクール」受賞

text by Ryo TAMURA
photographs by Shoichi NOSE(人物)

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