2019年3月末、「世界最優秀ソムリエコンクール」ベルギー大会を終えたばかりの岩田
渉氏が、ワインの輸入会社GRN㈱とともに、西オーストラリア州にあるマーガレット・リヴァーへ赴いた。20以上のワイナリーを周り、新たなポートフォリオを探索。産地の特徴が良く表現できており、かつ日本市場に向いている三つのワイナリーを選定し、今秋から発売を開始した。
「マーガレット・リヴァーは、オーストラリア全体のブドウ収穫量から占める割合は、わずか1.3パーセント。貴重なワインリージョンであり、プレミアワインが造られる産地です」と岩田氏。
栽培される品種の割合にも特徴があり、オーストラリア全体だとシラーズ、カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、メルロ、ソーヴィニヨン・ブラン、と続くが「マーガレット・リヴァーでは、ボルドー系品種がメイン。ソーヴィニヨン・ブラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、セミヨンが主要であり、この三つで約60パーセントの割合を占めます」と話す。
「シャルドネやピノ・ノワールも栽培されており、近年では、シュナン・ブランも注目集めています」
ワインの特徴を一言で表すと「センス・オブ・プレイス。マーガレット・リヴァーだからこそ、実現できるスタイルが多い」と言う。
「インド洋に突き出た半島です。ジオグラフ湾、インド洋、そして南氷洋という三つ海に囲まれた地中海性気候で、温暖なエリア。こう聞くとワインにも暖かみを反映しているのでは、と思いますが、海からの冷たい風が吹き抜ける産地なので、ワインには涼しい味わいが表現されています」
マーガレット・リヴァーは、先にも記した通り、プレミアワインが造られる産地だ。しかし、今回は、手の届きやすい2000~3000円台を中心にセレクトしたという。
「フレイムツリー」は、マーガレット・リヴァー沿岸部で、冷涼な個性を表現する生産者。2007年設立、サブリージョンごとに適したブドウ品種を栽培し、人的介入を最小限に抑えたワイン造りを行っている。ファースト・ヴィンテージでオーストラリアで最も栄誉ある「ジミー・ワトソン・トロフィー」受賞以降、数々のアワードを獲得し、テキストブックのようなワイナリーの一つだ。
http://www.grncorp.co.jp/wine/winery.php?winery_id=40
2012年設立の「ドメーヌ・ナチュラリスト」は、海洋性気候のウィルヤブラップの中心に位置し、サステイナブルなワイン造りを行っている。農学者でもあり醸造家でもあるブルース・ドュークス氏は、持続可能な農法を重視、健全な土壌から豊かで生きとした生きブドウを栽培。『ジェームズ・ハリデー2020』にて「ベスト・バリュー・オブ・ザ・イヤー」にも選ばれた。
http://www.grncorp.co.jp/wine/winery.php?winery_id=41
「ブラインド・コーナー」は、旧世界の伝統手法に、新しい醸造方法を積極的に取り入れている新進気鋭の造り手。マーガレット・リヴァーを代表するクリーンな味わいのワインが持ち味だ。畑は自然に任せた農業を実施し、オーガニックとビオディナミ認証を取得。ブドウの個性を最大限に発揮するため、発酵は天然酵母、亜硫酸塩は最小限の添加にとどめナチュラルなワイン造りを行っている。
http://www.grncorp.co.jp/wine/winery.php?winery_id=42