マルボロは広い。三つに分かれるサブリージョンの中で、最も冷涼なのがアワテレ・ヴァレーだ。ヴァヴァサワー家は1890年、この地にたどり着き、1985年に最初のブドウ樹を植えて89年にリリースしたパイオニアだ。

 標高が高く、風通しがいい。クウディ・ベイからの涼しい風が吹き抜け、南極からの風も入る。河岸段丘と氾濫した川の組み合わせで、沖積のれき岩と粘土、黄土(レス)が入り組んでいる。ワイラウ・ヴァレー、サザン・ヴァレーより乾燥している。

 ワインメーカーのステュアート・マーフェル氏は地元の出身。多くの人材を輩出した名門リンカーン大学のワイン醸造科を卒業し、2007年にチーフ・ワインメーカーに就任したホープだ。

「マルボロは多様性に富む産地だが、アワテレ・ヴァレーは冷涼な気候からくるすがすがしさとストーニーなミネラル感を生む。100を超す区画から収穫し、テロワールを正確に表現するのが私の務め」

画像: ヴァヴァサワーの畑からほど近いアワテレ・ヴァレー出身のワインメーカー のステュアート・マーフェル氏。リンカーン大学のワイン醸造科を修了後、2003年、ヴァヴァサワーに入り、07年にワインメーカーに就任

ヴァヴァサワーの畑からほど近いアワテレ・ヴァレー出身のワインメーカー のステュアート・マーフェル氏。リンカーン大学のワイン醸造科を修了後、2003年、ヴァヴァサワーに入り、07年にワインメーカーに就任

画像: ワイナリー創設者ピーター・ヴァヴァサワー氏は、 1985年にアワテレ・ヴァレーで最初のブドウ樹を 植樹したパイオニア

ワイナリー創設者ピーター・ヴァヴァサワー氏は、 1985年にアワテレ・ヴァレーで最初のブドウ樹を
植樹したパイオニア

 ソーヴィニヨン・ブランはフリンティで、チオール化合物からくるパッションフルーツと火打ち石の香り。テクスチャーも滑らかで、程よい軽快感がある。抑制されたフレッシュな味わいは、現地でシーフードとよく合わせられており、和食ともよく合う。

 ほかにも、多彩な料理と合わせやすいアロマティックなピノ・グリ、トースティでクリーミーなシャルドネ、飲み出すと杯が止まらないアプローチャブルなピノ・ノワールなど、幅広い品種を生産している。微妙な樽使いが複雑性を与えている。

画像: 所有する85ヘクタールの 畑は、アワテレ・ヴァレーのブドウの栽培地の中でも代表的なエリアの一つにあ る。昼夜の気温差が大きく、土壌は、痩せた土地に石や小石を含み、粘土およびローム層と混じり合っている

所有する85ヘクタールの 畑は、アワテレ・ヴァレーのブドウの栽培地の中でも代表的なエリアの一つにあ
る。昼夜の気温差が大きく、土壌は、痩せた土地に石や小石を含み、粘土およびローム層と混じり合っている

 ヴァヴァサワーはセントラル・オタゴの「マウント・ディフィカルティ」などとともに、米国の実業家ビル・フォーリー氏率いる「フォーリー・ファミリー・ワイン」の傘下にある。マーフェル氏はほかの傘下のワイナリーと情報交換し、ワイン造りに生かしている。

マールボロ ソーヴィニヨン・ブラン 2019年
Marlborough Sauvignon Blanc
品種:ソーヴィニヨン・ブラン100% 希望小売価格:2200円
力強いトロピカルフルーツとグレープフルーツ、メロンのアロマが層になっ
て口中に広がる。きりっとさわやかで、バランスの良いエレガントなワイン

マールボロ ピノ・グリ 2020年
Marlborough Pinot Gris
品種:ピノ・グリ100% 希望小売価格:2200円
豊かな骨格を持った味わい。クリスピーな果実味の層を持ち、ほのかな
ジンジャーとアワテレ・ヴァレーの典型的な長いミネラルのフィニッシュ
がそれを補う

マールボロ シャルドネ 2019年
Marlborough Chardonnay
品種:シャルドネ100% 希望小売価格:2860円
ほのかな柑橘、ネクタリン、アプリコットの風味が、フレンチオークから
由来のトーストのニュアンスとバランス良く感じられる

マールボロ ピノ・ノワール 2018年
Marlborough Pinot Noir
品種:ピノ・ノワール100% 希望小売価格:3080円
生き生きした酸と、果実の濃縮感が感じられるエレガントなピノ・ノワー
ル。親しみやすくサーモンや豚肉などのメインディッシュといただきたい

text by Akihiko YAMAMOTO

問い合わせ先:㈱ラック・コーポレーション TEL.03-3586-7501

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