さまざまなワイナリーツアーを展開する「シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー」が、新しく「SDGsツアー」をスタート。7月7日に「シャトー・メルシャン」のサステイナブルな取り組みと新ツアーに関する説明会が開かれた。

環境保全の進む「椀子ヴィンヤード」

「自然との共生」「地域との共生」「未来との共生」の三つの共生を掲げる「シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー」(以下「椀子ワイナリー」)。なかでも「自然との共生」の達成に向けて力を入れるのが「30by30(サーティー・バイ・サーティー)」への取り組みだ。30by30とは、2030年までに陸と海の30パーセント以上を健全な生態系として保全するという目標で、昨年末には、国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で「新たな国際目標」として決議された。椀子ヴィンヤードでは、遊休荒廃地を草生栽培のブドウ畑にするほか、希少種や在来種の再生活動、クララ(*1)を増やす活動も行っている。日本のブドウ畑で唯一、環境省が定める「自然共生サイト(*2)」の認定相当に選定され、今年の8月には正式に認定される予定だ。

また「自然環境だけでなく、社会、経済の面でも持続可能性を追求することが大切」との考えから、上田市のワインと食をテーマにしたイベントの開催(「地域との共生」)、上田市立塩川小学校に通う児童への食育教育(「未来との共生」)なども実施する。

*1 絶滅危惧種のオオルリシジミの幼虫が唯一食べる草。クララを増やすことで、オオルリシジミの増殖が期待できる
*2 官民の団体によって生物多様性の保全が図られている土地のこと。国により認定される。日本国内では約20パーセントの陸域が、国立公園などの保護地域として保全されている。これに加えて自然共生サイトを認定し、その地を保全することで、30by30の目標達成を目指す

畑からボトル詰めまで “サステイナブル”を体感するワイナリーツアー

そんなサステイナブルな取り組みに力を入れる「椀子ワイナリー」は、9月から新たなワイナリーツアー「シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー SDGsツアー」を開始する。椀子ワイナリーが実践するサステイナブルな取り組みを体感できるツアーで、今年は9月2日(土)、11月11日(土)に開催。来年以降も年5回程度の実施を予定している。

塩川小学校の学びの場として活用されているジャガイモ畑や、醸造施設に設置された雨水タンクなど、さまざまなスポットをワインメーカーが案内してくれる。また、醸造過程で発生するブドウの残りかすの堆肥化や、ワインボトルの軽量化などの説明から、畑からボトル詰めまでサステイナブルを徹底していることがよくわかる。

画像: SDGsツアーではワインメーカーが案内してくれる。写真は「シャトー・メルシャン」ゼネラルマネジャーの小林弘憲氏

SDGsツアーではワインメーカーが案内してくれる。写真は「シャトー・メルシャン」ゼネラルマネジャーの小林弘憲氏

画像: 椀子ワイナリーで生じる約18tのブドウの皮や種、茎に微生物を投入し、約2年かけて堆肥化する。これで0.5~1haの肥料としてまかなえるという

椀子ワイナリーで生じる約18tのブドウの皮や種、茎に微生物を投入し、約2年かけて堆肥化する。これで0.5~1haの肥料としてまかなえるという

ツアーの最後にはワインのテイスティングが待っている。椀子のテロワールを表現する定番ワインのほか、ワインメーカーがお勧めするワイナリー限定品を含む6アイテムが供される。テイスティングで使用したグラスは持ち帰り可能だ。

画像: この日並んだのは、左から『シャトー・メルシャン 椀子のあわ シャルドネ&ソーヴィニヨン・ブラン NV』『同 椀子ソーヴィニヨン・ブラン 2020年』『同 シャルドネ ブロック4 2021年』『同 椀子メルロー 2018年』『同 椀子カベルネ・フラン 樽選抜 2018年』『同 椀子オムニス 2017年』

この日並んだのは、左から『シャトー・メルシャン 椀子のあわ シャルドネ&ソーヴィニヨン・ブラン NV』『同 椀子ソーヴィニヨン・ブラン 2020年』『同 シャルドネ ブロック4 2021年』『同 椀子メルロー 2018年』『同 椀子カベルネ・フラン 樽選抜 2018年』『同 椀子オムニス 2017年』

「6~7月にドイツのヴィーズバーデンで開かれた『ワイン・マスター協会(IMW)国際シンポジウム』では、サステイナビリティーに触れない講演はないほどに、今や考えなければならない問題となっている。しかし、世界に比べ、日本はサステイナブルへの意識が遅れています」と話すのは、シャトー・メルシャンのブランドコンサルタントで、マスター・オブ・ワイン(*3)の大橋健一氏。

大橋氏によると、日本におけるワインの年間消費量は、平均して1人当たり4本程度と少なく、ワインは日常品ではないことが伺える。すると「せっかくのハレの日だから」と、例えば重いボトルで重厚感・高級感を演出するなど、サステイナブルから離れた消費行動になりがちだという。

これからも美味しいワインを楽しむため、われわれ消費者もどんなアイテムを選ぶか問われる時代になっている。椀子ワイナリーのSDGsツアーに参加すれば、その思いもより強まるだろう。

*3 1955年にイギリスで発足した、ワイン業界で最も権威ある称号。マスター・オブ・ワイン(MW)協会が行う資格呼称試験に合格した人に与えられる

「シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー SDGsツアー」概要

開催日:2023年9月2日(土)、11月11日(土) *2024年以降も年5回ほど実施予定
所要時間:約2時間
定員:10~20名(要事前予約)
参加費:1万円(税込)/人
予約方法:「シャトー・メルシャン」ブランドサイトツアー予約ページより予約可能

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