恒例の「第38回 シャブリワインコンクール」が1月20日、フランスのシャブリ地区にあるブルゴーニュワイン委員会(BIVB)事務所で開催された。対象ボトルは2022年産のAOCプティ・シャブリ、AOCシャブリ、AOCシャブリ・プルミエ・クリュ、2021年産のAOCグラン・クリュ。昨年のコンクールは、天候被害などで2021年産の収穫量が減少し、提出された見本ボトルは259本と少なかったが、今回対象となった2022年産は十分な収穫量だったため、合計見本ボトルの数は335本と前年から大きく増えた。

ソムリエ、ジャーナリスト、レストラン関係者、クルティエ(ワインの仲介業者)など63名の審査員が一次審査を行いカテゴリー毎に約20本をセレクション。それらを再度、最終審査員が試飲し、うち27本にメダルを授与した。

画像: BIVBシャブリ事務所2階のホールで行われた試飲審査。335本のエントリーの中から27本がメダルを受賞した

BIVBシャブリ事務所2階のホールで行われた試飲審査。335本のエントリーの中から27本がメダルを受賞した

審査委員長は今回、パリソムリエ協会会長のジャン・リュック・ジャムロジック氏が務めた。ジャムロジック氏はフランス北部、コンビエーニュのホテル学校で料理とレストラン、ホテル関係の職業資格を得た後、企業でインターンを行い、その時ソムリエの職業に出会った。英国に留学して英語を学んだ後、1983年にパリの「ボルティモアホテル」に入り、約30年間シェフソムリエを務めた。2018年に退職し、現在は息子のカンタンと友人のミッシェル・ラヌー氏とともにワインの販売サイト「D‘Or et de Vins」の運営と、2008年から務めるパリソムリエ協会会長職を続けている。

画像: 審査員長を務めたジャン・リュック・ジャムロジック氏(左)、コンクール運営委員長ブノワ・ドロワン氏(右)

審査員長を務めたジャン・リュック・ジャムロジック氏(左)、コンクール運営委員長ブノワ・ドロワン氏(右)

受賞ボトルを紹介

プティ・シャブリ 2022年
■金メダル:
『ドメーヌ・デ・マランド』(Domaine des MALANDES)
■銀メダル:
「パスカル・ブシャール」の『ブラン・カイユー』(PASCAL BOUCHARD,Blancs Cailloux)、『SCEAフォンテーヌ・ド・ショール』(SCEA de la Fontaine de Chaule)、『ガルニエ・エ・フィス』(GARNIER ET FILS)
■銅メダル:
『ギヨーム・ヴリニョ』(Guillaume VRIGNAUD)、『ドメーヌ・ベソン』(Domaine BESSON)

シャブリ 2022年
■金メダル:
『ドメーヌ・ジャンポ-ル・エ・ブノワ・ドロワン』(Domaine Jean-Paul et Benoît DROIN)
■銀メダル:
『ドメーヌ・ギー・ロバン』(Domaine Guy ROBIN)、『ドメーヌ・デ・ペルグラン』(Domaine des PEREGRINS)、「ドメーヌ・デ・マランド」の『アンヴェール・ド・ヴァリュミュール』(Domaine des MALANDES,Envers de Valmur)
■銅メダル:
『ドメーヌ・ミショ・ジャコブ』(Domaine MICHAUT-JACOB)、『ドメーヌ・セルヴァン』(Domaine SERVIN)

シャブリ・プルミエ・クリュ 左岸 2022年
■金メダル:
「ドメーヌ・セルヴァン」の『フォレ』(Domaine SERVIN,Forêts)、「ドメーヌ・ジェラール・トランブレ」の『ボロワ』(Domaine Gérard TREMBLAY,Beauroy)、「ドメーヌ・ジャン・ポール・エ・ブノワ・ドゥロワン」の『モンマン』(DomaineJean-Paul et Benoît DROIN,Montmains)
■銀メダル:
「ドメーヌ・モニエ」の『コート・ド・レシェ』(Domaine MOSNIER,Côte de Léchet)、「ドメーヌ・パンソン」の『フォレ』(Domaine PINSON,Forêts)
■銅メダル:
「ドメーヌ・ド・ラ・トゥール」の『モンマン』(Domaine de LA TOUR,Montmains)、「イザベル・エ・ドゥニ・ポミエ」の『トゥロエム』(Isabelle et Denis POMMIER,Troesmes)

画像1: 受賞ボトルを紹介

シャブリ・プルミエ・クリュ 右岸 2022年
■金メダル:
「ドメーヌ・デ・マランド」の『フルショーム』(Domaine des MALANDES,Fourchaume)、「ドメーヌ・ミルサン」の『フルショーム』(Domaine MILCENT,Fourchaume)
■銀メダル:
「ドメーヌ・パンソン」の『モン・ド・ミリュ』(Domaine PINSON,Mont de Milieu)
■銅メダル:
「シャルレーヌ&ローラン・パンソン」の『モンテ・ド・トネール』(Charlène & Laurent PINSON,Montée de Tonnerre)、「ドメーヌ・セリーヌ・エ・フレデリック・ゲガン」の『ヴォクパン』(Domaine Céline et Frédéric GUEGUEN,Vaucoupin)

シャブリ・グラン・クリュ 2021年
■金メダル:
「ドメーヌ・ジャン・ポール・エ・ブノワ・ドゥロワン」の『オマージュ・ア・ルイ』(Domaine Jean-Paul et Benoît DROIN, Hommage à Louis)
■銀メダル:
「パスカル・ブシャール」の『ブランショ』(PASCAL BOUCHARD, Blanchot)
■銅メダル:
「ドメーヌ・ジャン・ポール・エ・ブノワ・ドゥロワ」の『グルヌイユ』(Domaine Jean-Paul et Benoît DROIN, Grenouilles)

画像2: 受賞ボトルを紹介

ミレジム2022の特徴

2021年と同様、2022年も4⽉3⽇から11⽇にかけてブルゴーニュ全域で気温が低下し、ワイン⽣産者は再び霜と戦わなければならなかった。しかし幸い、過去 20 年の平均に⽐べ発芽が数⽇遅く、ブドウの⽊はつぼみが膨らむ段階だったため被害を免れた。

凍てつくような寒さの後、すぐ穏やかな天候に戻り、5月末に素晴らしい条件下で開花。不結実や結実不良はほとんどなかった。5⽉8⽇、そして6月19日に雹(ひょう)が狭い帯状にブドウ畑を横切ったが被害は限定的だった。6 ⽉ 21 ⽇から 25 ⽇にかけては待望の⾬が降り、シャブリ地⽅では 42 mm から 88 mm の降雨量を記録。その後は7月まで雨がなく、ブドウは素晴らしい健康状態が続いた。しかし、8月10日ごろから干ばつの兆しが強まり、また、猛暑に伴う熱波の影響も心配された。一部の浅い土壌や砂質の土壌に植えられた若いブドウ樹に疲労の兆候が見られたが、多くのブドウ樹は水分ストレスによく耐えた。

8⽉中旬から、数ミリ程度の⾬がようやく降り、これが⼤きな恩恵をもたらした。一部の栽培家は8月の終わりに収穫を始めたが、ほとんどの人たちが収穫に取り掛かったのは9月に入ってから。そして、9月第3週でほぼ収穫を終えた。収穫量は畑ごとに不均一だったが、各栽培家ともにほぼ平年並みの収穫量を確保できた。収穫量が多かった畑のブドウは少し濃縮が足りず複雑味に欠けるが、収穫ブドウはフレッシュで良く熟しており、膨らみがあり、どのボトルも心地よく飲める。

画像1: ミレジム2022の特徴

平均気温は9月を除き、平年をやや上回り恵まれた。

画像2: ミレジム2022の特徴

積算日照時間は8月、9月に例年を大幅に上回った。

画像3: ミレジム2022の特徴

6月、9月に例年を大幅に上回る降雨量があったが、その他の月は例年を下回り、乾燥した天候が続いた。

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