関西電力送配電の新規事業となるレンタルワインセラーサービス「La cave Takarazuka(ラ・カーヴ・タカラヅカ)」の全貌を3回にわたって紹介していくウェブ連載。プロジェクトの発端と経緯を追った第1回に続く今回は、ついに完成を見たLa cave Takarazukaの全容を「ワイン王国」が撮り下ろしで公開!プロジェクトチームの3人に実際にセラーを案内いただきながら、施設の概要とセラー設計に込めた思いをリポートする。
関西電力送配電㈱
企画部 新規事業推進グループ
リーダー
山口耕平さん
関西電力送配電㈱
企画部 新規事業推進グループ
増田咲良さん
関西電力送配電㈱
企画部 新規事業推進グループ
飯嶌かがりさん
満を持して営業スタート!
セラー内部を徹底解剖

——ついにヴェールを脱いだ「La cave Takarazuka」。完成おめでとうございます!
山口 ありがとうございます。おかげさまで11月7日に営業開始となりました。
——今日は宝塚駅からタクシーで伺いましたが、わずか6分ほどで到着しました。国道から一本入ったところで場所もわかりやすく、アクセス至便のロケーションですね。広々とした駐車場は車も停めやすそうです。
山口 はい。お客さまが自家用車でいらっしゃる場合は、中国自動車道宝塚ICからも5分と、非常に便利な場所です。
増田 この建物はもともと当社の配電営業所でして、鉄筋コンクリート造の2階建てになります。外観はシックな印象になるようにまとめました。ワインの預け入れや取り出しの際には、無償でお貸し出しする台車を使いスロープを通ってセラー内までアクセスできます。

飯嶌 ようこそ「La cave Takarazuka」へ。こちらの宅配ボックスは、ワインを購入した販売店や自宅から宅配便などで直送される際にお使いいただけるものです。

エントランス入ってすぐに設置された宅配ボックス
——ロビーは、高級感のあるアンバーカラーのシックなシャンデリアに、ゆったりとした座り心地のいいソファ。ここに来るだけで優雅な気分に浸れますね。

「La cave Takarazuka」の深奥へ。
セラー内部に潜入!

飯嶌 では、セラーの中へご案内しましょう。こちらの扉からお入りください。
——セキュリティの高さを感じさせる、とても厚い扉ですね。
飯嶌 中は照明を落としていて暗いので、お足元にご注意くださいね。ワインの保管・熟成に適した低めの温度設定になっておりますので、お上着を着たままでどうぞ。
——空間に余裕のある広々としたセラーですね。

山口 セラー内の温湿度を一定に保つため、部屋の中に断熱空間を造るという二重構造になっていまして、床や壁、天井の二つの部屋の間には不燃材を入れています。建物内に火気はまったくないのですが、万が一火災が発生した場合でも、この不燃材により延焼を防ぐことができます。セラー内の温度は14℃プラスマイナス1℃、湿度は70%プラスマイナス10%の設定です。
増田 温湿度に関してセンサーで常時データを取得しておりまして、異常値が出た際には瞬時にアラートが出ます。ワインの出し入れはお客さま自身で行っていただく形となりますが、設備異常が生じた際は、グループ会社の「㈱オプテージ」が提供する「関電SOS」のセキュリティサービスの社員が近隣拠点よりすぐに駆けつけますので、安心してご利用いただけます。また、この建物は2系統受電設備を保有しており、本線が停電しても予備線が自動投入される仕組みとなっています。そのため、本線側にトラブルが発生した場合でも、電力供給を継続することができる、停電対策が施された、一般の建物よりも停電に強い建物になります。

ウォークインタイプ(部屋サイズ(内寸) 幅180×奥行120×高さ275cm、税込月額料金6万5,000円)
——レンタルセラーは容量別に3タイプと伺っていましたが、あらためて実物を拝見しながら、その種類と料金体系を教えてください。
山口 はい、もちろんです。まずセラーに入って左手にウォークインタイプの部屋が8室ありまして、こちらが500本収容と、最大容量のものになります。部屋サイズ(内寸)は、幅180×奥行120×高さ275cm、税込月額料金は6万5,000円。スライド式ドアを開閉して、お客さま自身が室内に出入りすることができるタイプです。ボルドータイプを12本収容可能な赤いワインストッカーは無償でお貸し出しでき、ストッカーの収容も楽々です。次に大きいタイプが、2段になったロッカータイプで、観音扉式の100本収容のもので、(内寸)幅78×奥行57×高さ81cm、同1万6,500円。棚板はお客さまのニーズに合わせて自由に高さを変えられまして、前後互い違いにワインボトルを配置しますと1段で20本並べることができます(*ボルドータイプのワインボトルの場合)。また、先ほどのワインストッカーが9つ、きれいに収まります。

ロッカータイプ:100本収容(内寸 幅78×奥行57×高さ81cm、税込月額料金1万6,500円)
——棚間隔も非常に余裕のある設計で、シャンパーニュボトルやブルゴーニュタイプのボトルの出し入れもしやすそうですね。
増田 最後にご案内するのが、3段になった50本収容のロッカータイプ。こちらが最小のものになりまして、(内寸) 幅55×奥行57×高さ57cm、同8,800円。この50本タイプでも、先ほどのワインストッカーが4つ、きれいに収まります。

ロッカータイプ:50本収容(内寸 幅55×奥行57×高さ57cm、税込月額料金8,800円)
——100本収容と50本収容、それぞれのロッカーの扉に空いた穴は?
飯嶌 4台の大型空調機からの冷気が直接ワインに当たらないようにという配慮と、ロッカー内部の通気性を確保するためのものです。天然の地下カーブのような保管環境をめざし、4台の加湿器で充分な加湿を行っていますが、その反面、どうしても結露の問題が生じがち。でも、こちらをご覧ください。ロッカーの下部に、余計な湿気と臭気を吸収する3種類の環境素材を敷き詰めているのです。

湿気と臭気を吸収する環境素材
——たしかに、見るからに湿気を充分に吸収している様子ですね。セラー内をひと通りご案内いただきましたが、シンプルですが練られたデザインで、ストレスなく利用できそうです。圧迫感のないチャコールグレイのカラーリングや人が近づくと自動で感知するライティング、石造りの感じを再現した壁や床の質感、小さいながら存在感のあるドイツ製の温湿度計、ちょっとした気の利いたサインの意匠……ワイン好きの趣味人の方の心をいかにもくすぐりそうです。
増田 そう言っていただけてうれしいです。業界関係者やワイン愛好家の方へのヒアリングを通じて、お客さまに好んでいただけそうな什器や素材を選定しました。何よりもお客さまの使い勝手の良さを第一に考え、利用導線には細心の注意を払って設計しました。

ドイツ製の温湿度計
サイトより内覧予約がスタート。
各タイプとも申し込み募集中!
——ここ「La cave Takarazuka」から半径約30キロメートル圏内にお住まいの方を主な対象と考えられている旨伺っていましたが、現在の申し込み状況はいかがですか?
増田 はい、想定どおりの地域の方からのお申し込みが多くはあったのですが、遠いところでは西は四国の複数県からご予約をいただくなど、想定外のうれしい驚きもありました。東は大阪府内の方が多い印象ですね。
山口 当初の予想では50本タイプから埋まっていくと予想していたのですが、50本タイプ、100本タイプ、ウォークインタイプと、ほぼ均等にお申し込みをいただいている状況です。お一人で複数のタイプを同時に借りられる方もいらっしゃいました。
飯嶌 「La cave Takarazuka」オフィシャルサイトより内覧のご予約も開始しています。セラーは各タイプともまだまだお申し込みをいただける状況ですので、是非この機会にご検討いただけると嬉しいです。本日は「La cave Takarazuka」までお越しいただき、ありがとうございました!
text by Ryo TAMURA
photographs by Noriko KAWASE


La cave Takarazuka
兵庫県宝塚市鶴の荘3-20
Google Map
アクセス:
車で 宝塚ICより5分
バスで 鶴之荘 バス停より徒歩1分
電車で 阪急 清荒神駅より徒歩15分
阪急・JR 宝塚駅よりタクシー6分




