産地別のカカオの味わいを楽しめる明治の「ザ・チョコレート」がリニューアル。ベネズエラ、ブラジル、ペルー 、ドミニカ共和国の四つのテロワールの特徴とワインとのペアリングのポイントをソムリエの田崎真也氏に教えてもらった。

カカオのテロワールを感じる「明治 ザ・チョコレート」

画像: カカオのテロワールを感じる「明治 ザ・チョコレート」

「明治」が2014年から展開している『明治 ザ・チョコレート』は、カカオ豆からチョコレートまでを一貫して製造する「ビーン・トゥ・バー」をコンセプトとしたシリーズ。農家を支援して一緒
にカカオを育てることから手掛け、産地と造り手、そしてチョコレートを食べる消費者を結ぶ「ファーム・トゥ・バー」のチョコレートだ。そのザ・チョコレートが、2020年9月にリニューアルした。

 これまで以上に産地ごとの香味の違いをよりわかりやすく楽しめるよう、カカオの含有量を70
パーセントに統一。「カカオベルト」と呼ばれるエリアにある四つの産地、ベネズエラブラジルペルードミニカ共和国をセレクトした。ワインの味わいにテロワールが反映されるように、カカオにとっても産地は重要。そのことについて、田崎真也氏にソムリエの立場からそれぞれの味わいの特徴やお酒との相性について話しを聞いた。

田崎氏が語る、チョコレートとワインの相性とは?

「チョコレートとワインを合わせる際には、一般的にバニュルスやルビーポートなどがいいと言われています」と、田崎氏。

 ポリフェノールが多く含まれるチョコレートには苦味があり、その苦味と甘味の味わいのバランスにワインをどう合わせるかがポイントなのだという。

 一般的なワインの甘味はアルコールのボリュームからくる「刺激」の甘さであって、糖ではない。そのためチョコレートと合わせると、酸味が強く感じられてしまう。なので、チョコレートにはある程度甘味を持つワインが合いやすい。バニュルスは適度に糖度があり、またポリフェノールも多いので、甘味と苦味がチョコレートの持つ味わいに融和。あまり熟成していない若いタイプなどは特にお勧めだ。

 リニューアルした四つのチョコレートは、産地の個性がしっかり出ていて、味わいにもそれぞれ特徴がある。

四つの産地の特徴と味わい、田崎流ペアリング

画像: 四つの産地の特徴と味わい、田崎流ペアリング

ベネズエラはナッツのフレーバーと、同時にパンケーキやビスケット、グリルしたアーモンドのような香ばしさもある。苦味も酸味もあるけれど全体が滑らか。ワインで例えるなら、ピノ・ノワールようなエレガントなタイプでしょうか。これには、ナッツのニュアンスと、香りに熟成感があるトウニーポート、特に熟成年数表記があるものがいいでしょう」

 さわやかな酸味と柑橘やトロピカルフルーツのような香りがあるブラジルのカカオには、アイスワインを。

「このチョコレートにはっきりした酸味が感じられ、スパイシーさを秘めた苦味、そして甘味もある。黄色い果実が凝縮したような印象です。木になったまま自然に凍ったブドウで造るアイスワイ
ンにはフレッシュさが残っていて、酸味も感じます。それが、カカオに感じる黄色い果実の香味を余韻まで持続させてくれます」

 寒暖差のある高地、ペルー のカカオは、花のような香りを持つ。

「口に含むと、アカシアや菩提樹がふわっと香ります。白桃のようなニュアンスもあり、余韻にはオレンジフラワーも。フローラルな印象が最後まで続きます」

 これには、同じくフローラルな風味を持つ極甘口の貴腐ワイン、中でもボルドー地方のソーテルヌがお勧めだとか。

「アカシアのようなフレーバーがあるソーテルヌで、新樽を使ったものがあればベストでしょう」

 ドミニカ共和国で栽培したトリニタリオ系のカカオは「テロワールがしっかり表現されたチョコレートですね。シナモンやリコリス、クローヴといった甘苦いスパイスの風味があり、ワインで例えるとカベルネ・ソーヴィニヨンのような印象です」と田崎氏。これこそ、南仏の天然甘口ワイン、バニュルスにぴったり。チョコレートとワインのペアリングのお手本のような組み合わせを体感できる。

チョコレートとお酒を楽しむ、お勧めのタイミング

 チョコレートは、基本的にはデザートとして楽しむのがお勧めだという田崎氏。

「フルーツを使ったデザートなどの後に、チョコレートを楽しむのもいいですよ。そんな時にデザートワインがあれば、食事の締めくくりにふさわしい」
 

 あるいは食後に嗜むのであれば、味わいよりも香りを楽しむつもりでコーヒーや食後酒と合わせて。

ベネズエラには上質なコニャック、ブラジルならフルーツが香るカルヴァドス、ラムを飲むならペルー を。スパイシーなドミニカ共和国はアイラ島のスモーキーなウイスキーと、というふうに、それぞれの香味を後押しするお酒を選ぶと、より奥行きのある余韻が味わえます」

 今回、新しくブラジル産ベネズエラ産のカカオ分55パーセントのタイプも登場。こちらは朝にどうだろう。

「柑橘の香りがあるブラジルにはレモネード、ベネズエラには、コーヒーのブルーマウンテンやマンデリンなどのバランスのいいブレンドを合わせれば、忙しい朝の時間も楽しくなりますね」

 テロワールを感じるチョコレートとドリンクのペアリングが、日々の生活をより豊かにしてくれそうだ。

画像: with cacaoメンバー募集中! チョコレートはカカオの産地によって香味が異なります。 その驚きや感動をwith cacaoのメンバーのみなさんと一緒に楽しみたい! そんな想いで明治 ザ・チョコレートはメンバー限定の特別な体験ができる機会をお届けします。

with cacaoメンバー募集中!
チョコレートはカカオの産地によって香味が異なります。 その驚きや感動をwith cacaoのメンバーのみなさんと一緒に楽しみたい! そんな想いで明治 ザ・チョコレートはメンバー限定の特別な体験ができる機会をお届けします。

Profile

画像: 田崎真也氏 Shinya TASAKI 1958年、東京都生まれ。95年「第8回世界最優秀ソムリエコンクール」で日本人として初めて優勝。99年、フランス農事功労章シュヴァリエ受章。2011年、黄綬褒章受章。17年まで国際ソムリエ協会会長を務めて、 現在、一般社団法人日本ソムリエ協会会長を務める

田崎真也氏
Shinya TASAKI
1958年、東京都生まれ。95年「第8回世界最優秀ソムリエコンクール」で日本人として初めて優勝。99年、フランス農事功労章シュヴァリエ受章。2011年、黄綬褒章受章。17年まで国際ソムリエ協会会長を務めて、 現在、一般社団法人日本ソムリエ協会会長を務める

text by Miki NUMATA , photographs by Tomokazu MATSUKAWA

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