遠く浅間山を望む上田市丸子地区に広がる約30ヘクタールの美しい畑で8種類のブドウを栽培する「シャトー・メシャン 椀子ヴィヤード」。なかでもメルロは栽培量が最も多く、丸子地区のテロワールを映し出す、ボリューム感のある高品質なワインが生まれている。
「シャトー・メルシャン」の元工場長で現代日本ワインの父と評される、故・浅井昭吾氏。
50年前、それまでコンコードが主流だった長野県塩尻市桔梗ヶ原において、浅井氏はメルロの可能性を見出して植栽を進めた。その結果、数々の国際コンクールで好成績を収めるまでのクオリティーに成長し、日本ワインが世界から注目されるきっかけとなった。その実績を受け、2003年に上田市丸子地区で開場した「椀子ヴィンヤード」でもメルロに注力。ワイナリーを囲むように広がる14の区画のうち、五つの区画で栽培している。

「レカングループ」CBO(チーフ・ブランディング・オフィサー)兼ビバレッジディレクターの近藤佑哉氏(左)と、椀子ワイナリー長の岡村敦氏
「エレガントな桔梗ヶ原のメルロに対し、椀子のメルロはジューシーで凝縮した果実の風味が主体。ボリューム感のあるパワフルな味わいになります」と、椀子ワイナリー長の岡村敦氏。強粘土質の土壌で果実が凝縮するのだという。

『シャトー・メルシャン 椀子メルロー 2020年』
品種:メルロ主体
価格:オープン(税込参考価格6688円)
近藤佑哉ソムリエがテイスティング
「スミレや野生のイチゴの香りが混ざり合い、マジョラム、セージ、高麗人参、紅茶のアッサムに加え、マッシュルームのニュアンスも。偉大なメルロに求められるアロマを備え、香りからスケールの大きさが伝わる。味わいはジューシーで凝縮感があり、しなやかな酸とタンニンがうまく溶け合っている。後半には熟した印象や赤身肉の鉄分が感じられ、食欲を誘う。セップ・ア・ラ・ボルドレーズ(セップをエシャロットやニンニクと炒めた料理)やカツオの藁焼き、赤魚の煮付けに合わせたい。3〜5年は熟成させて楽しめる」
その特徴がよく表れているのが『シャトー・メルシャン 椀子メルロー2020年』。ほぼすべての区画のメルロを使用し、バランスよくブレンドしている。
「当ワイナリーのメルロは特に成熟度が高く、20年は温暖で雨量も平年並みだったため、成熟した果実を得ることができました。今飲んでも十分楽しめますが、熟成のポテンシャルもあります」
今年は猛暑が続いたものの、天候や病気による影響はほとんどなく、非常に状態が良いという。続くヴィンテージもさらに期待ができそうだ。

「シャトー・メルシャン 椀子ヴィンヤード」
長野県上田市長瀬146-2 ワイナリーHP
TEL.0258-75-8790
見学可
「シャトー・メルシャン 椀子ヴィンヤード」ワイナリーショップ 売れ筋TOP3
ワイナリーを訪れた人々が、試飲やスタッフとの会話を通して選んで購入するワインとは?
現地のショップでよく売れているワインをランキング形式で紹介。
観光客はもちろん、地元のリピーターにも愛される人気の3本から、そのワイナリーの個性が見えてくる。お土産選びはもちろん、次にワイナリーを訪れる時の参考にもどうぞ。

1位
『椀子ロゼ』
(ワイナリー店頭価格・税込3500円)
「椀子ヴィンヤード」の黒ブドウのみで造ったロゼ。華やかな香りの辛口。

2位
『椀子メルロー&カベルネ・フラン』
(ワイナリー店頭価格・税込4800円)
「椀子ヴィンヤード」の特長を理解し、感じることができるエントリーワイン。

3位
『椀子』
(ワイナリー店頭価格・税込1万円)
ワイナリーのアイコン『オムニス』の世界観に触れることができるセカンドワイン。


