2025年に200周年を迎える老舗メゾン

 1825年創業のシャンパーニュメゾン「ジョセフ・ペリエ」の拠点は、エペルネの東に位置するシャロン・アン・シャンパーニュである。ガロロマン期の遺産を生かしたセラーは全長3km、200万~300万本をストック、年間の生産量は75万~80万本。英国王室との繋がりが強く、フラッグシップの『キュヴェ・ロワイヤル』はヴィクトリア女王とエドワード7世の御用達になったことから“ロワイヤル”の名が与えられた。ファミリー経営で、現在は6代目のジャン・クロード・フルモン氏の息子ベンジャミン・フルモンCEOが7代目を継承、34歳の若きリーダーだ。

女性シェフ・ド・カーヴの時代到来

 2017年からシェフ・ド・カーヴとして活躍しているナタリー・ラプレイジュさんは昨年、シャンパーニュ専門誌『Bulles &Millésimes』の「セラーマスター・オブ・ザ・イヤー 2019」を受賞した。女性醸造家として初の快挙である。

 3月上旬、“ミモザキャンペーン”で、オットー・プシュビラ取締役とともに来日した。

画像: 3月8日の国際女性デーの翌日がナタリーさんの誕生日。少し早めの祝福!

3月8日の国際女性デーの翌日がナタリーさんの誕生日。少し早めの祝福!

 ナタリーさんはシャロン・アン・シャンパーニュ出身で、中学生のころは自転車でメゾンの前を行き来していたという。「当時、子供心にミステリアスと感じていたジョセフ・ペリエの建物。そこで今、働いていることが不思議です」と述懐。ランス大学で生物・化学を専攻。その一環として醸造学のクラスがあり、「ワイン造りに興味を持った」と語る。シャンパーニュメゾン「ヴーヴ・クリコ」「アラン・ティエノー」「カナール・デュシェーヌ」で研鑽を積み、18年のキャリアを有す。

「セラーマスター・オブ・ザ・イヤー 2019」の最終選考では、「ポル・ロジェ」「シャルル・エドシック」「クリュッグ」「ジョセフ・ペリエ」の4メゾンが残り、その中から、ナタリーさんが栄冠を手にした。過去の受賞者はいずれも50歳を過ぎた男性ばかりなので、女性が選ばれたことはとても喜ばしい。加えて、今回の来日は、国際女性デー(別名:ミモザの日)の週だったので、それもナイスタイミングだった!

画像: 奈良県産のイチゴ“古都華”のパブロバとロゼは五感で楽しめるマリアージュ

奈良県産のイチゴ“古都華”のパブロバとロゼは五感で楽しめるマリアージュ

「デュヴァル・ルロワ」「ドゥ・ヴノ―ジュ」「クリュッグ」「アヤラ」「ペリエ・ジュエ」「アンリオ」など、錚々たるメゾンで女性のシェフ・ド・カーヴが台頭してきている昨今、女性の時代到来と言えるかもしれない。

 シェフ・ド・カーヴには肉体労働が伴う。空手を習っているナタリーさんは、練習する時間が思うように取れないと語っていたが、“自分に厳しく、かつ、規律を重んじる空手道”は精神面で、今の仕事と重なる部分が多々あるようだ。ちなみに帯の色はオレンジ、周りを元気にしてくれる色だ。

画像: 女性シェフ・ド・カーヴの時代到来

左から順に『キュヴェ・ロワイヤル・ブリュット NV』(税別参考小売価格6300円/ベースワインは2015年、CH35%、PN35%、M30%、リザーヴワイン約20%、ドザージュ7g/L)、『キュヴェ・ロワイヤル・ブラン・ド・ブラン NV 』(税別参考小売価格8000円/CH100%、リザーヴワイン約15%、ドザージュ7g/L)、『キュヴェ・ロワイヤル・ブリュット・ヴィンテージ 2008年』(税別参考小売価格1万円/CH50%、PN41%、M9%、ドザージュ5g/L)、『キュヴェ・ロワイヤル・ブリュット・ロゼ NV』(税別参考小売価格9000円/CH25%、PN75%(うち若干M)、キュミエール・ルージュ12%、ドザージュ7g/L)、『キュヴェ・ジョセフィーヌ 2008年』(税別参考小売価格2万3000円/CH54%、PN46%、ドザージュ5g/L)

画像: 創始者の娘の名を冠した最高級キュヴェ。今までに造られたヴィンテージは1982、1985、1989、1990、1995、1998、2002、2004、2008の九つのみ

創始者の娘の名を冠した最高級キュヴェ。今までに造られたヴィンテージは1982、1985、1989、1990、1995、1998、2002、2004、2008の九つのみ

text & photographs by Fumiko AOKI

ワイン輸入元 (株)JALUX http://www.jalux.com

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