**創業以来ノン・マロラクティック発酵にこだわり、独自のスタイルを貫く「ランソン」が放つ、
旗艦キュヴェ『ランソン ブラック クリエイション』。そして『ミシュランガイド東京』で7年連続一つ星を獲得している、東京・赤坂「乃木坂しん」の料理長・石田伸二氏が手掛ける旬の和食。両者が織りなすペアリングの魅力をひも解く。**
「ビターな風味の泡、シャープな酸がありつつも旨味や甘味を感じる。複雑でしっかりとしたシャンパーニュですね」
「乃木坂しん」オーナー・ソムリエの飛田泰秀氏は、『ランソン ブラック クリエイション258』の味わいをこう表現する。合わせたのは三品。「炙り鰯と夏野菜の三杯酢のかき氷」「鱧の湯引きとすだち 刻んだ野菜に煎り酒の香りを添えて」「鰻カツ 蒸した無花果胡麻だれ」。どれも夏を感じさせる旬のひと皿だ。
「軽く炙って香ばしさをまとわせた鰯は、熟成したピノ・ノワール由来の果実味がその青背の風味をきれいにマスキングし、三杯酢と相まって口中で美しく調和します。鱧のひと皿は、やや濃いめの塩味がランソンのミネラルと同調し、ピノ・ノワール由来のプラムのような風味が鱧を引き立てますね。すだちを搾るのもポイントです。鰻カツには、香ばしさを引き立てる胡麻だれを添え、ランソンの長期熟成由来のクリスピーな風味にフォーカスしています。無花果の柔らかな甘さは口中に広がる果実味とよく合い、ランソンのコクのある味わいは油とも好相性です」と飛田氏。
旬の食材の味を存分に引き出した料理長・石田伸二氏の料理は、繊細でありながら計算し尽くされた絶妙なバランスが特徴だ。すっとのどを通り過ぎるが、食べた後にしっかりと記憶に刻まれる。ランソン ブラック クリエイション258もシャープな酸はのど越しがよく、複雑な果実の余韻が長く続く。
今回、ランソン ブラック クリエイション258と石田氏の料理、お互いを最高に引き立たせたのは、食材とシャンパーニュが持つ味わいの要素を一つ一つ丁寧に取り出し、再構築しているからだろう。
「ワインを味わう時は、そのワインの要素を一つずつ分解して考えます。これは飛田から教わりました」と石田氏。まさしく料理人とソムリエのチームプレーだ。
和食とシャンパーニュのペアリングもまずは相手(シャンパーニュ)を知ることから始まる。それを体現するような『ランソン ブラッククリエイション258』は、和食との対話を通じて、その真価を一層輝かせていた。

オーナー・ソムリエの飛田泰秀氏(左)と店主の石田伸二氏
text by Uta KOBAYASHI,photographs by Kentaro TAKIOKA
問い合わせ ㈱モトックス 0120-344101
「乃木坂しん」
東京都港区赤坂8-11-19
エクレール乃木坂 関根ビル 1F
TEL.03-6721-0086
営業時間:17:30~ 23:00
定休日: 日曜(不定休あり)
