土を作り、ブドウに向き合い―畑の進化がワインに実を結ぶ
「安心院葡萄酒工房(あじむぶどうしゅこうぼう)」(大分県)
国内外で高い評価を受ける「安心院葡萄酒工房」。地元・大分県安心院町のブドウにこだわったワイン造りを貫く。徹底した土づくりから始まる自社畑での歩みと、これからの挑戦について工房長・古屋浩二氏に聞いた。
山間を走る細い道を抜けると、一気に視界が開ける。大分県宇佐市にある「大見尾圃場(おおみおほじょう)」。安心院葡萄酒工房の中で、最も新しく、最も広いブドウ畑だ。 工房長の古屋浩二氏が畑を案内してくれる。
「安心院は由布岳などの名峰を望む盆地で、雨雲が届きにくい土地です。年間を通じて晴天が多く、降水量が非常に少ないため、ブドウがしっかりと熟し、凝縮感のある果実になります」
大見尾圃場は耕作放棄地...