コルクという選択:9年育てて、3秒で開ける——数字と脳科学が語る栓の理由
「コルクか、スクリューキャップか」。この対立軸は、長らく伝統と革新の物語として語られてきた。しかし欧州のコルク業界団体が2026年にまとめた報告書を読むと、議論の土俵そのものが動いていることに気づく。争点はもはや栓の機能ではなく、飲み手が瓶を開ける瞬間に何を感じるか、という体験の側に移っている。以下、ワインを傾けながら誰かに話したくなる話題をいくつか拾ってみた。
数字が語る、意外と揺るがない現状
スクリューキャップの普及が語られて久しいが、統計を見る限り主役の座はまだコルクにある。米国では20ドルを超えるワインの94%がコルク栓であり、中国の量販店で売れ筋上位100本のうち95%、スペイ...