独自のテロワールを有する“ミニ・モンタルチーノ”
カステッロ・ディ・モンテポ
text by Isao MIYAJIMA
photographs by Hiromichi KATAOKA
マレンマというと海に近いのんびりとした温暖な産地というイメージがあるが、険しい道を走って辿り着いた「カステッロ・ディ・モンテポ」には異なる風景が広がっていた。標高520メートルの丘の上にモンテポ城が屹立し、その周りを森林が囲む。麓にはブドウ畑が広がっている。
「普通のマレンマではありません。独自のテロワールなのです」と話すのはブルネッロ・ディ・モンタルチーノを生んだ名門ビオンディ・サンティ家の7代目タンクレディ氏だ。丘の頂上にある城を取り囲むように広がるブドウ畑という地形は、丘の...