新世界のヴィンテージ、その妙味を味わう
新世界の産地にはヴィンテージはないなんて、誰が言ったのだろう。そんなことが頭に浮かんだ、ニュージーランド「クラギー・レンジ」のトップキュヴェの垂直テイスティング。ビジネスマネジャーのマーク・カンリフ氏がガイド役だ。透明感のある美しい質感を持ったワインが、ヴィンテージによってさらに表情を変える。その仕組みに肉薄したひとときだった。
text & photographs by Yutaka ODA
ブルゴーニュやシャンパーニュと比べれば、新世界の温暖な産地ではブドウの熟度が問題になるような年は少ない。だが「クラギー・レンジ」の本拠地、ここニュージーランド北島の南端、マーティンボロー。セントラ...