ボルドー・プリムール2025 特別レポート
右岸九景――「少収穫の当たり年」を巡る旅《前編》
ポムロール/サンテミリオン 有力9シャトー訪問記
2025年、ボルドー右岸は「少収穫の当たり年」を迎えた
ボルドー2025年産プリムールは、近年まれにみる高揚感とともに幕を開けた。猛暑と長期の乾燥に見舞われながら、昼夜の大きな寒暖差と、干ばつ明けの8月末の絶妙な降雨が、凝縮と瑞々しさを併せ持つ果実をもたらした。アルコールは穏やか、タンニンは緻密に熟し、驚くほどの新鮮さを備える、早くから楽しめ、長期熟成にも耐える、専門家が「新しいボルドー」と呼ぶスタイルである。批評家からは100点満点が多く飛び出し、2022年や2016年、さらには2009・2010年をも上回るとの評価すらある。
右岸はこの傾向がいっそう劇的に表れた。石灰岩土壌のサンテミ...